「2100年までに全ての疫病の治療・予防・制御を目指す」とFacebookのザッカーバーグCEOと妻が宣言

Facebookを立ち上げたマーク・ザッカーバーグCEOと、その妻である小児科医のプリシラ・チャン氏が記者会見を行い、「今世紀の終わりまでに全ての病気の治療法・予防法、または制御する方法を発見する」という目標について発表し、今後10年間で医学研究に対して30億ドル(約3000億円)を出資することを約束しました。

Zuckerberg and Chan aim to tackle all disease by 2100 - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-37435425

今世紀中に全ての病気の解決に取り組むという目標を掲げたザッカーバーグ夫妻は、2015年12月に「Chan Zuckerberg Initiative(CZI)」という会社を立ち上げており、今後10年間で30億ドル(約3000億円)の資金が医学の発展に向けて分配されるとのこと。テクノロジー企業が医学研究に取り組むのはFacebookだけではなく、Microsoftは人工知能を使ったがん治療の取り組みを行っているほか、Googleの人工知能部門「DeepMind」のAI技術をがん治療に採用する病院も登場しています。

By jenny

他方で、「Cancer Research UK」がたった1つの疫病のために合計で30億ドル以上の資金を投入していたり、世界最大規模の医学研究支援などを目的とする公益信託団体「ウェルカム・トラスト」が今後5年間で65億ドル(約6550億円)を投資する予定であったり、アメリカの国立衛生研究所が年間323億ドル(約3兆2500億円)もの予算を費やしたりしていることを考えれば、CZIの30億ドルという資金は医学研究に対して十分な金額ではない可能性が指摘されています。

とてつもないコストと労力を要する目標を掲げたザッカーバーグ夫妻ですが、娘のマックスちゃんの誕生を機に、Facebookの保有株の99％を慈善活動に寄付する計画も発表しており、寄付金の総額は450億ドル(約5兆5350億円)にものぼります。CZIは「人間の可能性をさらに前進させ、次世代の子どもすべてが平等を享受できるようにすること」という長期的目標も掲げており、今回発表された30億ドルの投資以外にも、疫病撲滅や教育プログラムに資金が運用されることになりそうです。