2016年8月23日は月越しに地球を捉えた写真が撮影されて50周年の日だった
長年にわたって宇宙開発を続けてきた人類は、2015年7月には太陽系全ての惑星へ到達を完了し、今や民間企業が人類を火星に送るという壮大な計画が立てられるに至っています。そんな人類が本格的に月に到達したのはたった50年前のことで、月の向こうに地球が見えるという当時の宇宙開発を象徴するような写真が撮影されてから、2016年で50周年を迎えています。
It's been 50 years since Earth was first photographed from the moon - CNET
http://www.cnet.com/uk/news/its-been-50-years-since-earth-was-first-photographed-from-the-moon/
The First Photographs of the Earth from the Moon Were Taken 50 Years Ago Today | Motherboard
http://motherboard.vice.com/read/the-first-photographs-of-the-earth-from-the-moon-were-taken-50-years-ago-today
1966年8月23日、アメリカが打ち上げた月探査船の「ルナ・オービター1号」が月の表面の向こうに地球が見えるという、人類がそれまでに見たことがなかった光景の写真を撮影することに成功しました。クレーターに覆われた月の表面と、その38万km向こうに見える地球の姿を収めた1枚の写真は、地球と月が宇宙の中で寄り添うように浮かんでいることをつぶさに感じさせるものとなっています。
この写真を収めたルナ・オービター1号はルナ・オービター計画で使われた5機の探査機のうち最初に打ち上げられたものです。1966年8月10日に打ち上げられ、約92時間後に月のだ円軌道に投入されて以降、撮影した合計42枚の高解像度画像と187枚の中解像度画像を地球に送信し、最後は月の表面に落下して最期を迎えました。その時の高解像度画像の1枚が上記の写真で、実はこの時、同じ高解像度でもう1枚の写真が撮影されましたが、失敗に終わっているとのこと。
ルナ・オービター計画は、月面に探査機を着陸させるサーベイヤー計画と、それに続いて人類を月に降り立たせるアポロ計画の調査のために実施された計画で、合計5機の探査機により月の表面の99%を60m以上の解像度で撮影したとのこと。この成果により、人類は月への人工物の軟着陸と、人類による月への到達が可能になったというわけです。
実は、上記の写真は2008年に実施されたLunar Orbiter Image Recovery Project (LOIRP:月周回衛星写真の再生プロジェクト)で再処理された画像です。実際に撮影された元の画像は以下のように荒いものとなっていました。
そしてその後、一般的によく知られている写真「地球の出 (Earthrise)」が、アポロ8号の宇宙飛行士、ウィリアム・アンダースによって撮影されました。漆黒の宇宙にポツンと浮かぶ地球の姿から、いかに地球が宇宙の中で小さく、保護されるべき存在であるかを人々に伝えた「史上最も影響力のあった環境写真」としても知られています。
アポロ8号の乗組員は、ミッション中に複数の画像を撮影しており、その中には動画も含まれていたとのこと。実際に撮影された動画は以下のようなものとなっています。
人類による宇宙の探索は今後も続けられることになりそうで、現在では光速の20%の速さで飛ぶ小型探査機で4光年先の恒星系に到達させるという計画も進められている状態。これから先、どのような宇宙の姿を人類は目にすることになるのか、期待が広がります。
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