地球環境の「債務国」か「債権国」かが可視化されたマップ「Global Footprint Network」
地球環境が本来持っている生産力や廃棄物の収容力「バイオキャパシティ」と、人間による消費量や廃棄量「エコロジカル・フットプリント」を算定して比較することで、世界各地域がどのくらい地球環境に負担をかけているのかを表すのが「エコロジカル・フットプリント」です。日本のエコロジカル・フットプリントは世界平均に比べて高く、「世界中の人々が日本人のような暮らしをはじめたら、地球が約2.4コ必要」と言われていますが、このようなエコロジカル・フットプリントを視覚的にわかりやすくした「Global Footprint Network」が公開されています。
Global Footprint Network
http://www.footprintnetwork.org/ecological_footprint_nations/index.html
Global Footprint Networkのトップページはこんな感じ。濃淡の異なる赤・緑という2つの色で各国が塗り分けられています。
緑色はバイオキャパシティ内にエコロジカル・フットプリントが収まっている国(バイオキャパシティ債権国)、赤色はコロジカル・フットプリントがバイオキャパシティを越えている国(バイオキャパシティ債務国)を示します。バイオキャパシティ債務国はバイオキャパシティ債権国からバイオキャパシティを輸入し、二酸化炭素排出や大気汚染などを清算しています。いずれの国も色が濃くなればなるほど傾向が強いということ。
地図上で各国をクリックすると、その国の詳細データを見ることが可能です。日本について見てみると、1人あたりのエコロジカル・フットプリントは5.0GHA(グローバルヘクタール)、1人あたりのバイオキャパシティは0.7GHAと、エコロジカル・フットプリントがバイオキャパシティを大きく越えていることがわかります。バイオキャパシティ債務はマイナス4.3で、世界的に見てもかなり債務を抱えています。
バイオキャパシティ債権国は以下のような感じ。南アメリカのガイアナ共和国、コンゴ、中央アフリカ共和国、ボリビア、コンゴ民主共和国、東ティモール、ウルグアイ、エリトリア、ブラジル、アンゴラなどが上位にあがっています。
バイオキャパシティ債務国は以下の通り。シンガポール、レユニオン、イスラエル、キプロス、レバノン、ヨルダン、ルクセンブルク、韓国、日本、イラクなどが並んでいます。
画面上部のアイコンをクリックしていくと、世界地図を別の色分けにすることが可能。以下のマップでは、エコロジカル・フットプリントが多い国ほど濃いオレンジを示しています。
ランキング形式で見てみると、中国・アメリカ・インド・ロシア・日本などが並んでいました。
エコロジカル・フットプリントを1人あたりの量で色分けするとこんな感じ。
先ほどと違い、人口の多い中国やインドはランキングから外れていることがわかります。1位はルクセンブルクに代わり、オーストラリアやカナダがランキング入りしていました。
続いて、バイオキャパシティの大きさで色分け。ぱっと見たところ、国土面積の大きな国が大きなバイオキャパシティを持っている傾向にあります。
ランキングを見ても、ブラジル・中国・アメリカ・ロシアなどが上位でした。
1人あたりのバイオキャパシティを色分けすると、人口の多い中国やインドはやや色が薄く変化。
南アメリカで3番目に小さい国であるにも関わらず、バイオキャパシティ債権国のガイアナが1位。Wikipediaを見たところ、ガイアナの地形は広大な熱帯雨林がいくつもの川や小川や滝によって隔てられることによって特徴付けられるとのことで、とにかく自然にあふれた地域のようです。
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