火星に移住して実際に暮らすことはできるのか？

火星への有人探査に備えて長期ミッションを想定した520日間のひきこもり生活のシミュレーション実験などが行われていますが、実際に人が火星に住むために必要な準備や、家を建てるためのオススメ立地を紹介しているムービーが「Could we actually live on Mars？」です。

Could we actually live on Mars? - Mari Foroutan - YouTube


火星で暮らすには、火星上のどの場所が適しているのでしょうか？

まず、火星に移住する前に地球から持ってこなければならない必需品がいくつかあります。

寒さ耐性、寂しさ耐性、放射線対策の3点は必須。

さらに、一生分の酸素と食料。

また、火星に移住するための宇宙船は何百億ドルもの費用がかかります。

最後に、たっぷりの水と、「地球上の何もかもから逃げ出したい！」という願望が必須とのこと。

火星に住む準備が整ったところで、実際に土地の様子を見ていきます。入り組んだ迷宮のような「ノクティス迷路」に大邸宅を建てたり……

「ハッピーフェースクレーター」の異名をもつクレーター「ゴール」の陰にひっそりと隠れ住んだり……

「火星の人面岩」と呼ばれる「フェース・メサ」に要塞を建ててみるのはどうでしょうか？

オーシャンビュー付きの家が欲しい人は……

残念ながら、火星に移住するのが40億年ほど遅かったようです。

火星にはかつて海や湖、川が存在していたことが明らかになっています。

しかし、地上の水分はすべて凍り付いてしまい……

一部は空中に蒸発していきました。残った氷の一部は、地中に埋まっていると言われています。

もしも火星の表面に水があると想像してみると、北半球は山が少ないため水に覆われて、おそらくひとつの巨大な海が生まれていると考えられます。水分量にも左右されますが、クレーターの多い南半球は乾燥して気温が高く保たれるとのこと。

火星の北半球と南半球の地表に大きな差がある理由は明らかになっていませんが、南半球にはクレーターの数が多いことや、北半球で火山活動が活発であった証拠が残っていることから、南半球の方が古いのではないかと考えられています。

将来的に、火星には再び海が生まれる可能性もありますが、今のところは巨大な砂漠地帯が広がっているのみです。火星の砂丘は地球に存在する砂丘の形によく似ており、火星に移住する前に地球の砂丘でシミュレーションすることができるとのこと。

火星の砂丘は、地球のものに比べて約2倍の大きさがあります。

火星には、地球上には存在しないものもあります。15メートルもの高さをもつ砂丘「tars」も火星特有の地形のひとつで、一体どのような形をしているのか、全貌はいまだに分かっていません。

火星に移り住んでから、星全体を巻き込む規模の砂嵐が起こったらどうなるのでしょうか？

砂嵐は、火星の天気としてはありふれたもので、サビた鉄が風によって星全体にまき散らされることで火星の地表は赤く染まっています。火星の重力は地球の3分の1ほどで、湿度も低いため、一度砂嵐が起こると火星の表面は1カ月間砂ぼこりに覆われることになります。

砂嵐に巻き込まれないためには、なるべく高い場所に家を建てたいと考えるかもしれません。太陽系最大の火山である標高約2万5000mのオリンポス山に住めば、25キロメートル先まで景色を見渡せて、眺めもバッチリ。

火山が気に入らなければ、深さが最大7kmで幅が最大200kmある太陽系最大規模の峡谷「マリネリス峡谷(渓谷)」に住んでも雄大な景色が堪能できます。

マリネリス渓谷は長さ4000kmにも達するため、反対側の崖淵が地平線の向こう側に沈んで見えるそうです。

夜には満天の星空が楽しめることでしょう、とのことで、火星に移住する際に土地を選ぶ参考になるかもしれないムービーとなっていました。