自宅のガレージに保管できる1人乗りマイクロプレーン「e-Go」がついにデビュー
大がかりな格納庫を必要とせず、自動車が入る自宅のガレージで保管することも可能なイギリス生まれの超小型の1人乗り飛行機「e-Go」が、構想からおよそ10年を経てついにデビューしました。
e-Go Aeroplanes - Welcome e-Go Aeroplanes
http://www.e-goaeroplanes.com/
Personal Plane Fits in Your Garage
http://www.seeker.com/personal-plane-folds-up-fits-in-your-garage-1860685909.html
e-Goは、タマゴの形をした機体に羽根が生えたような機体で、見るからに軽量っぽい様子が伝わってきます。外見で特徴的なのは、通常は主翼よりも後方に設置される尾翼が機首部分にある前尾翼形式を採用しているところ。
真横から見ると、機体のコンパクトさがよくわかります。機体の全長は3.79メートルで、全高は1.8メートル。翼の両端の距離(ウィングスパン)は7.99メートルとなっていますが、翼は取り外すことが可能なので、格納時には非常にコンパクトに収まる設計になっているとのこと。機体の重量は139kgと、非常に軽量に仕上げられていることがわかります。
パイロットの体重は60kgから110kgに対応しており、貨物は15kgまで搭載が可能。コクピットは透明のキャノピーに覆われており、まるで戦闘機のパイロットのよう。
機体重量を含む最大離陸重量は270kgで、巡航速度は90ノット(時速約167km)が設定されています。ちなみにこの機体は、イギリスでは「マイクロライトプレーン」に分類されているとのこと。
巡航速度90ノットで飛行した際の最大飛行距離は330マイル(約530km)ということで、タンクを満タンにしておけば東京から大阪までのフライトを余裕でこなすことができる模様。タンク容量は標準で30リッター、オプションで40リッターのタンクを選択することも可能で、燃料は市販のレギュラーガソリンが使えます。
単座式でキャノピーに覆われているコクピットからの眺めはこんな感じで、気分はまさに戦闘機乗りか、エアレースのパイロットといったところ。記事後半のムービーでは、本当に戦闘機のような激しい機動を行っている様子を見ることができます。
「e-Go」という名称から思わず電気飛行機かと思ってしまいそうになりますが、実際にはガソリンを使うエンジンを搭載。Rotron Aero社製のヴァンケルエンジン、つまりロータリーエンジンで直径1.2メートルの3枚プロペラを駆動しています。これにより軽量・小型のエンジンを搭載できるほか、非常に振動が少ないのが特長とのことで、フライト時の疲れも軽減されそう。さらに、機載カメラの画質がよくなるというメリットもあるそうです。
e-Goが実際に飛んでいる様子は以下のムービーから確認が可能。エンジンのパワーは30馬力@6500rpmということで、それほどパワフルではない様子ですが、小型の機体からは想像できないほど機敏で激しい機動もできることがわかります。
e-Go 2015 display practice on Vimeo
ちなみに、初飛行の様子がコレ。離陸からフライト、着陸までの一連の動きをひととおり見ることができます。
First flight of the e-Go on Vimeo
また、地上でタキシング(地上走行)のテストを行う様子も収められています。この映像では翼が取り外された状態の機体を見ることが可能。
Final taxi trial - the go-cart version on Vimeo
e-Goはイギリスで納機が開始されており、価格はベーシックなモデル「e-Go」が5万ポンド(約700万円)、そしてアビオニクス系の装備や無線、そして自機の位置を常に発信する装置「ADS-B」を最初から搭載したモデル「e-Go+」だと6万ポンド(約840万円)となっています。
出荷が始まったばかりのe-Goですが、日本でそのまま使えるかどうかについてはまだ未知数の段階。とはいえ、国土交通省の定める「超軽量動力機」の要件はほぼ満たしているとみられるので、期待したいところです。
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