安物ステーキを柔らかくカットする方法を科学的に説明するとこうなる
by Brian Child
一般的に「安いお肉は肉質が固く、高い肉ほど柔らかくておいしい」と言われています。しかし、肉の切り方を工夫するだけで、安いお肉が高級肉のように柔らかくなるということで、科学的な実験をもとに肉の切り方を紹介するムービー「Science: How to Slice Steak and Make Cheap Cuts Tender」が公開されています。
Science: How to Slice Steak and Make Cheap Cuts Tender (with Your Knife) - YouTube
牛肉のブロックを切る際には、肉質の違いに応じて切り方が決まっているわけではありません。しかし実際には、牛肉の調理方法や肉の内側の温度と同等に、肉の切り方が柔らかさに大いに影響します。
肉を切る際に最も重要なことは、肉の線維に沿って切るか、繊維と垂直に切るか、ということです。牛バラ肉やハラミ、サガリといった部位は、筋肉繊維の幅が広いため、特に切り方が重要です。
肉の切り方が柔らかさにどのくらい影響するのかを確かめるため、牛のバラ肉とサーロインを使って実験を行います。
サーロインは筋肉繊維が細く、組織同士のつながりが少ないお肉です。
実験では、2種類のお肉を袋に入れて、低温の湯にひたして……
肉の内側が摂氏54度になるまで温めます。
続いてCT3 Texture Analyzerという機械を使い、肉をかむためにどのくらい力が要るのかを測定。
それぞれ3回ずつ測定して平均を算出しました。
実験の結果、牛バラ肉を5mmかむために必要な力は、繊維に対して垂直に切った場合は383グラムだと分かりました。
一方、繊維に沿って切った場合は、1729グラムの力が必要だと判明。その差はおよそ4倍もあります。
バラ肉とサーロインの2種類の部位について、かむために必要な力を比較すると、繊維に沿って切った場合は、バラ肉の方が190%の力が必要。しかし、繊維に垂直に切った場合は、必要な力の差はわずか16%でした。肉を繊維に垂直に切ったことで、筋肉繊維が細かく裁断され、安いバラ肉も柔らかくかみやすくなったとのこと。
多くの専門家は「サーロインの方がバラ肉よりも柔らかい」と主張していますが、実験の結果から、比較的安価なバラ肉であっても切り方次第で高級なサーロインステーキに張り合えることが明らかになっています。
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