生肉に火を通すとなぜ茶色になるのか

by kenleewrites

焼肉を食べる時に特に実感できるかと思いますが、焼く前は赤い色をしている牛肉や豚肉が、焼くと茶色に変色します。この変色で火が通ったかどうか判断している人も多いかと思いますが、なぜこんな現象が起きるのでしょうか。

そもそも生肉が赤く見えるのも血液の色が見えているわけではなく、肉の色に関してはあるタンパク質がその見た目を左右しているとのこと。


肉を料理するとなぜ褐色になるのか、その理由は以下から。Why Red Meat Turns Brown When Cooked

肉を加熱すると赤色から茶色などの暗褐色に色が変わる現象には、ミオグロビンというタンパク質が関係しています。これは筋細胞に酸素を蓄えておく働きのあるタンパク質で、赤血球に酸素を格納するヘモグロビンに非常に似た性質を持っています。

ミオグロビンは、連続して体を動かす際、筋肉にすぐさま酸素を供給してくれる不可欠な物質です。では、生肉を料理して肉が茶色っぽくなる現象に、ミオグロビンはどんな関係があるのでしょうか。

肉の色が調理によって変色するのは、ミオグロビンに含まれるの鉄の原子が酸化することによって起こります。肉を調理する前にミオグロビンが酸素にさらされると、鉄の原子の酸化レベルはおよそ+2程度を示します。この時ミオグロビンは酸素分子(O2)と結びつき、明るい赤色になります。牛肉や豚肉の生肉が赤い色をしているのは、動物の血液によるものではなく、タンパク質の酸化によって赤い色になっていたというわけです。

肉を調理すると、この鉄の原子は電子を失い、酸化のレベルが+3程度まで上昇して、だんだん肉自体の色が茶色になっていきます。一方、鶏肉などの白っぽい肉はミオグロビンの含有量が牛肉や豚肉に比べてずっと少ないので、赤身の肉のように暗褐色にはなりません。実際、ミオグロビンの値は、白身肉と赤身の肉の違いを判断する主な要因のうちの1つです。

ちなみに、赤身の肉が約1週間以上冷蔵庫の中に入れたままにしていて、思い出した時には茶色く変色し始めていたという経験をした人もいるかもしれませんが、これも調理した際と同様にミオグロビンが化学変化した結果です。しかし、変色したから肉が傷んだというわけではないので、まだ食べられるかどうかについてはにおいで判断するのがよいそうです。

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