「肉の達人」は安い加工肉と高い加工肉を判別できるのか?を検証した動画が公開中


加工肉とは、ハムやソーセージなど、人間の手によってさまざまな処理が施され、加工された肉のこと。加工肉の製造は主に肉を長期間保存するために発達した技術ですが、近年では加工肉ならではの風味や食感を好む人も増えています。加工肉は手を加えていない肉とはだいぶ違ったものになっていますが、「肉の達人は、加工された肉でも安い肉と高級肉を判別できるのか?」を検証したムービーが、YouTubeに公開されています。

Meat Expert Guesses Cheap vs Expensive Deli Meats | Price Points | Epicurious


肉の判別に挑戦するのは、アメリカでOlympic Provisionsという肉専門レストランのチーフシェフを務めているエリアス・カルロさん。


カルロさんには、2種類の加工肉を食べてもらい、「どちらのほうがより高級な加工肉か?」を判断してもらいます。


第1問目はサラミ。ピザのトッピングとしてよくみかけるサラミには、少しジャンクな印象があります。


まずはサラミの外見から、品質をチェックしていきます。カルロさんは「私がサラミの善し悪しを判断するとき、『サラミの皮』に注目します」と話します。


カルロさんはまず、Aのサラミに目を向けて「Aのほうは、風味を付けたナチュラルケージング(天然の腸)を使用しています」と解説します。「Aのサラミは外側の皮が非常に美しいので、天然の腸だとわかるのです」とのこと。


そしてカルロさんは触診に移り、「高級なサラミはとても柔らかくて、匂いも素晴らしい」と言いながらサラミの皮を剥いでいます。


続いてBのサラミ。「これはたぶんコラーゲン製の、米粉を使った人工腸です」とカルロさんは分析。


さらに、サラミの品質は皮の内側、脂身と肉の具合からも判別できるとのこと。カルロさんはAのサラミを指さし、「白い脂肪と赤い身の部分が非常にくっきりと分かれていて、脂身の部分は輝くような白色です」と話します。


次はBのサラミを示し、「品質のよくないサラミははちょっと黄色っぽく、酸化して悪い匂いがします」とカルロさんは述べました。


そしてようやく味のチェック。Aのサラミの味はどうなのでしょう。


「皮の刺激的な風味がまず最初に感じられ、舌の上でいい具合に溶けていき、変に脂が残る感じもありません」


続いてBのサラミ。カルロさんは「スーッ」と音が鳴るほど勢いよく匂いを嗅ぎ、サラミの質をチェック。


すると、「やっぱり固いな」と言葉を漏らし、サラミの固さが気になる様子。


「いいサラミは柔らかいんです。Aのサラミは弾力を感じるんだけど、Bのサラミは岩のように固い。スーパーで売られているサラミでも、柔らかいほうを選ぶといいでしょう」とのこと。


Bのサラミを食べると、「うーん、乳酸の味がする。サラミを早く作るために、発酵に必要な乳酸菌を直接注入する製法がありますが、このサラミはその製法を取ったのでしょう」


カルロさんはAのサラミがより高級だと予想。果たして結果は……?


Aのサラミが1ポンド(約450グラム)あたり35ドル(約3700円)、Bのサラミが1ポンド(約450グラム)あたり20ドル(約2100円)。見事に正解です。


カルロさんも一安心の様子。


サラミの品質を見分けるには、「サラミの皮が天然か人工か」「皮の風味」「脂身の白さ」チェックするといいそうです。


第2問目はハム。どちらもかなりの大きさです。


「ハムか!ハムは加工肉の中でもとても好きですよ」とカルロさん。ハムには燻製の風味を付けるために「燻製液」に浸した後で乾燥させて作る「液体燻製」という方法と、一般に知られている食材に煙を当てる方法の2種類があるとのこと。


「液体燻製は早くハムを作るにはぴったりで、液体燻製のハムは大量生産大量消費のアメリカではもはや伝統的なハムです」とカルロさんは笑います。


カルロさんはAのハムを見て「これは『アメリカの伝統的なハム』ですね。この切れ込みは、大量生産品の証です」と分析。生産のスピードを速めるため、Aのハムにはリン酸塩が使われているだろうということまで語っています。


「リン酸塩を使わない自然燻製のハムは、Bのハムのように縮むんです。Aのハムは大きすぎる」


「Bのハムは美しい。断面の色だってとても自然です」と、カルロさんはBのハムをベタ褒め。


表面の色に明るい茶色、濃い茶色という風にムラがあるのも、本物の木で燻製されたハムだということの証だそうです。


早速テイスティング。Aのハムの匂いを「スーッ」とかいで、「やはり液体燻製の感じがしますね」と言います。


「味もバカみたいに甘い」と言って、あまり好みに合わない様子。


続いてBのハムを一気に口に入れると、「うん」と満足気な声を漏らしました。


「本物の燻製の味ですね。リンゴのチップを使っていて、とても高級な風味があります」と述べ、燻製に使われたチップの種類まで推測します。


さて、いよいよ結果発表。カルロさんが高級だと予想したのはBのハムでした。結果は……


Aのハムが1ポンド(約450グラム)あたり11ドル(約1200円)、Bのハムが1ポンド(約450グラム)あたり18ドル(約1900円)。またしても正解です。


「思ったほど値段に差がありませんね」とカルロさんは舌打ち。もっと大幅に値段の差が出ると思っていたようです。


ハムの品質の見分け方として、「大量生産のハムにはらせん状に切れ込みが入っている」「本当の燻製で作られたハムは形が不格好」「実際に燻製されたハムには外側の色にムラがある」と述べました。


第3問目はモルタデッラ。アメリカでは「BOLOGNA」とも呼ばれます。原材料の肉を乳化するほどきめ細かいひき肉にして作られるモルタデッラは、人工物感が非常に強い加工肉です。


カルロさんはBのモルタデッラを見て、「全く気泡もなくツルツルの断面をしています。中に詰め物が入ってないのも、大量生産の証ですね」と、早くもBのモルタデッラを安い加工品だとしました。


一方、Aのモルタデッラにはピスタチオや黒コショウ、ラードなどが入っています。


まずはAのモルタデッラを試食。やはりカルロさんはモルタデッラの匂いを嗅ぎ、嗅覚でも判別を試みます。


「うん」


カルロさんはAのモルタデッラを気に入った様子で2切れ目も食べました。


「本当にいいモルタデッラです」と満足した様子。


続いてBのモルタデッラ。


半分だけモルタデッラを食べると……


残りは戻してしまいました。「もう十分」と言ってカルロさんは笑います。


カルロさんはAのほうが高級なモルタデッラと予想。結果は……


Aのモルタデッラは1ポンド(約450グラム)あたり16ドル(約1700円)、Bのモルタデッラは1ポンド(約450グラム)あたり4ドル(約430円)。実に4倍もの価格差です。


「的中ですね」とカルロさんはご満悦。


モルタデッラの見分け方として、「断面が非均一的で模様ができているほうが上等」「ピスタチオやラードなど、目で見てわかる詰め物があるほうが上等」などが挙げられます。


第4問目はソーセージ。これまでの加工肉と違い、ぱっと見ではAとBで何が違うのかわかりません。


「やはりここでは皮が重要になるでしょうね」とカルロさん。サラミを見分けたときと同じく、人工の腸か天然の腸を使っているかで判断しようとします。


Bのソーセージは微妙にカーブを描いており、自然な感じがしますが……


Aのソーセージはまっすぐで、どことなく人工的な雰囲気。


「色はどっちもいいですね。最終的には液体燻製か本物の燻製か、食べてみないとわかりません」と、外見だけではカルロさんも確信を抱くまでには至らないようです。


まずはAのソーセージをパクり。


「うん、おいしい。脂の具合も悪くありません」と、意外にもAのソーセージは高評価を得ました。


続いてB。


「どっちもとてもよく似ていますね、正直に言ってこれはとても難しい」と、予想以上に判断がつけにくい様子です。


「ただ、皮の食感からいえばBのソーセージに軍配が上がります」


カルロさんはその後もソーセージを食べ続け、「どっちも本物の燻製のような気もするし、液体燻製のような気もするし……」と非常に悩んでいます。どうやらかなりの難問のようです。


結局カルロさんはBのソーセージのほうが高級だと判断しましたが、「とても僅差だと思います」と話します。さて、結果は……


Aのソーセージが1ポンド(約450グラム)あたり6ドル(約630円)、Bのソーセージが1ポンドあたり13ドル(約1400円)。2倍以上の差を付けてBが高級という結果でした。


予想以上に大差だったので、カルロさんも苦笑い。


ソーセージの品質を見分けるには、「曲がった形のほうが天然の腸を使っている可能性が高い」「皮の端が結ばれているほうが高級」とのこと。


最後の問題はプロシュット


運ばれてきた瞬間にカルロさんは「これは明らかですね」と宣言しました。


「間違えたら今後、肉の専門家を名乗らないことにしますよ」と冗談まで飛ばします。


Bのプロシュットを指さし、「暗くて高級で美しい色です!そして内部の霜降り具合も素晴らしい」と絶賛。


対してAのプロシュットには、「霜降りも少ないし、色も薄くて青白い」と低評価。


「いいプロシュットは、しっかりと水分が飛んで暗い色合いになるんです」とカルロさんは語ります。


早速テイスティングに入ります。カルロさんはまず、Aのプロシュットを食べました。


「風味も薄いですね」と芳しくない反応。


Bのプロシュットは、まず思い切り匂いをかぎ、「素晴らしい」とコメント。


食べた後も「素晴らしい味です。最高級レベルのプロシュットだね」とベタ褒めです。


Bのほうが高級と予想したカルロさんは、「間違えたらもう肉料理を作りません」と豪語し、よほどの自信があるようです。さて、結果は……


Aのプロシュットは1ポンド(約450グラム)あたり11ドル(約1200円)、Bのプロシュットは1ポンド(約450グラム)あたり193ドル(約2万円)。10倍以上の大差でした。


カルロさんはテーブルをトントン叩いて上機嫌。


プロシュットの品質を見分けるには、「広範囲に霜降りがある」「暗くてリッチな色合い」「ちゃんとしたラベルに包まれていること」がポイントとのこと。


「今回紹介した加工肉の品質チェックポイントは、実際にスーパーなどで加工肉を購入するときにも使えるので、ぜひ活用してみて下さい」とカルロさんはまとめました。

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