iPhone上でAndroidを動かすことができるケース「Tendigi」
Windows 95をApple Watchにインストールして起動することに成功させたモバイル製品のデザイン&開発会社のTendigiが、iPhoneでAndroidを起動可能にするケースを制作し、実際に動作しているところを収めたムービーを公開しています。
Finally, Android on the iPhone - YouTube
何の変哲もないiPhone 6s Plusが画面の中央に置かれています。
ホーム画面からTendigiのアプリを起動しました。
赤いiPhoneケースに本体をはめ込み、ケースから伸びるLightningケーブルを接続すると……
なんとAndroidのホーム画面が起動。
アプリ一覧にはAndroidアプリが並んでいます。
Androidの設定アプリからiPhoneをWi-Fiに接続可能。
Google Play ストアにもアクセスできる様子。
ブラウザからTendigiのウェブサイトにもアクセスできました。
iPhoneにはないウィジェットもこの通り。
ところがiPhoneのホームボタンを押すと……
元のiPhoneのホーム画面が表示されました。
TendigiのCTOであるNick Leeさんが、iPhoneでAndroidを起動するケースを開発するに至ったいきさつや、詳細を以下のブログに投稿しています。
Finally, Android on the iPhone — Tendigi
https://blog.tendigi.com/finally-android-on-the-iphone-99b0c8b3adc
今回のケースを開発したLeeさんは、Windows 95をApple Watchにインストールして起動させた人物でもあります。Appleのハードウェアで異なるOSを起動させる2度目の試みとして、iPhoneでAndroidを起動するという発想に至ったとのこと。
Android OSはオープンソースOSであり、Motorola・HTC・LGなどさまざまなメーカーがAndroidスマートフォンを製造しています。Nick LeeさんはAndroid Open Source Projectにいくつかのオープンソースのソフトウェアを加え、iPhoneでAndroidを起動させることに成功しました。ケースに必要なプロセッサには8コアで64-bit ARM Cortex-A53プロセッサであるHiKey(LeMaker version)を選択。仮想的にAndroidを実行するには十分なスペックだそうです。
電源には650mAhのリチウムイオンバッテリーを使用。HiKeyに必要な電圧である8~18ボルトに対応するため、DC-DCブーストコンバーターを加えています。
ケースはXYZプリンティングの3Dプリンターで出力。ムービーでは真上から撮影していたため薄型ケースに見えましたが、バッテリーやプロセッサを搭載するため箱のような形状になっています。
全てのパーツを詰め込むとこんな感じ。最初は無線でAndroidをiPhoneで実行しようとしていたものの、あまりにも動作が遅すぎたため、有線に変更したとのこと。
iPhoneに装着してケーブルを接続したところ。LeeさんはAndroidを実行可能なiOSアプリを開発しており、この状態でアプリを起動すれば、アプリ上でムービーのようにAndroidを実行可能になります。
白いケースは試作品で、ムービーで使用していた最終モデルがコレ。SDカードスロット・HDMIポート・USBポートが追加されています。
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