AppleがWi-Fiの特許を侵害しているとして訴えられる
by Kārlis Dambrāns
Appleと、無線およびブロードバンド通信向けの半導体製品などを製造販売するBroadcomが「Wi-Fi技術の特許を侵害した」としてカリフォルニア工科大学から訴えられたことが判明しました。
CM/ECF - California Central District
https://ecf.cacd.uscourts.gov/doc1/031123583498
Caltech Accuses Apple of Violating its Patented Wi-Fi Technologies - Mac Rumors
http://www.macrumors.com/2016/05/30/caltech-vs-apple-broadcom-wifi-lawsuit/
Appleが侵害したとして訴えられているのは、不規則な繰り返し蓄積(IRA)コード、および低密度パリティ検査(LDPC)コードに関係するWi-Fiの極めて高度な技術の特許で、データの転送速度とパフォーマンスを改良することを目的としています。この技術はカリフォルニア工科大学によって2006年から2012年の間に特許の取得が行われています。
カリフォルニア中部の地方裁判所に提出された申請によると、AppleはiPhone・iPad・Apple WatchなどWi-Fiを搭載したモデルにおいて、このIRA/LDPC技術を組み込んでおり、特許を侵害しているとのこと。
具体的に特許を侵害しているとして名前が挙げられている端末は、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 5c、iPhone 5s、iPhone 5、iPad Air、iPad Air 2、iPad Pro、iPad Mini 4、iPad Mini 3、iPad Mini 2、MacBook Air、Apple Watchとなっています。
Appleは2016年5月、同社の純正ルーターであるAirMac ExtremeとAirMac Time Capsuleのアメリカ国内にある小売店での販売を一時的に停止しており、本件との関係が疑われていますが、ソフトウェア・セキュリティ上の問題が理由とも見られており、事実は不明。
カリフォルニア工科大学はAppleと、Appleにチップを提供するBroadcomを相手として、該当製品の販売禁止命令と陪審裁判の請求を行っていますが、まだ明確な和解案は提示されていません。
by Ken Hawkins
なお、大学の研究機関にAppleが訴えられたのは本件が初めてではなく、2015年10月にはiPhone5s/6/6 PlusのCPUがウィスコンシン大学の特許を侵害しているとして、8億6200万ドル(約1030億円)の賠償金支払いが命じられています。
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