メモ

ボストン大学がiPhone・iPadなどの端末でAppleが特許を侵害していると提訴

by Ed Bierman

「1997年に取得した特許をAppleが侵害し、多大かつ回復不可能な損害を被っている」ということでボストン大学がAppleを訴えました。この特許は高絶縁性単結晶窒化ガリウム薄膜に関するもので、1年前に同じようにSamsungやAmazon、製造メーカー8社も訴えられています。大学側が勝った場合、Appleが支払う金額は最大で7500万ドル(約75億円)ほどになるのではないかと予想されています。

Trustees of Boston University v. Apple
http://ja.scribd.com/doc/151380376/Trustees-of-Boston-University-v-Apple



BU sues for big bite of Apple | Boston Herald
http://bostonherald.com/business/media_marketing/2013/07/bu_sues_for_big_bite_of_apple



iPhoneやiPadで特許絡みの話題というとSamsungとの泥沼の訴訟合戦のイメージがありますが、今回Appleを訴えたのはボストン大学。

大学の主張は、ボストン大学で電子コンピュータ工学を教えていたセオドア・D・ムスターカス博士が1997年に取得した「高絶縁性単結晶窒化ガリウム薄膜」に関する特許(特許番号5686738)をAppleが侵害しているというもの。


これが問題の特許

United States Patent: 5686738
http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect1=PTO1&Sect2=HITOFF&d=PALL&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsrchnum.htm&r=1&f=G&l=50&s1=5,686,738.PN.



添付の図


現在、この特許の権利は大学が保有しているとのことで、「被告(Apple)による権利侵害は、ボストン大学に対して多大かつ回復不可能な損害を与え続けている」とマサチューセッツ連邦地裁へ訴えでました。iPhone 5だけではなくiPad、MacBook Airも対象となっており、ボストン大学はAppleを訴える以前にSamsung、Amazon、そのほか8つの製造業者を訴えています。

ボストン大学、Appleともにコメントは発表していませんが、訴えられた会社のどれか1社でも支払いに動けば、裁判は大学に有利になります。また、ムスターカス博士がこの特許でビジネスをしようとしていたことが明らかになれば、さらに心証は大学側有利に傾くことになります。

以前、「ポッドキャスト」の発明を主張してAppleを訴えて約7億円を勝ち取った会社は、特許を保有しながらも製品やサービスは作らず、権利を行使して賠償金やライセンス料をせしめようとするパテント・トロールでしたが、今回の特許はそういう類のものではない模様。

Appleは昨年、通算1億台目のiPadを販売。iPhone 5は2013年5月の一ヶ月間だけで5500万台が売れたといわれており、Endpoint Technologies Associatesのロジャー・ケイ氏は「Appleは非常にお金のある企業であり、そこまで多くの資産を所有しなくてもよいのではないかと裁判所が考える可能性はあります」「ボストン大学が7500万ドル(約75億円)の賠償金を勝ち得たとしても驚かない」とコメントしています。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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