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Appleに対する特許賠償金640億円の支払い評決が棄却、金額を再審理へ

By Tori Rector

楽曲・映像配信サービスの「iTunes」が3件の特許を侵害しているとしてAppleに対して命じられていた5億3300万ドル(約640億円)の賠償支払い評決が棄却され、審理がやり直されることになりました。この一件には、自らが保有する特許技術をもとに大企業に対して巨額の賠償金を請求するパテントトロールと呼ばれる企業にまつわる問題が絡みついています。

Apple persuades U.S. judge to void $533 million iTunes award | Reuters
http://www.reuters.com/article/2015/07/08/us-apple-smartflash-damages-idUSKCN0PI1GJ20150708

米判事、アップルへの5.33億ドルの賠償支払い評決棄却 再審理へ | マネーニュース | 株式市場 | Reuters
http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPL3N0ZO4NW20150708

アメリカ連邦地裁の判事は2015年7月8日、Appleに対して5億3290万ドル(約640億円)の賠償支払いを求めていた評決を棄却する判断を示し、審理のやり直しを決定しました。賠償額についての再審理は、2015年9月14日に行うと発表されています。


今回のAppleに対する特許侵害訴訟は特許ライセンス供与会社「SmartFlash」が起こしていたもので、同社が所有している携帯端末のデータストレージに関する技術や、決済システムに関連するデジタル著作権管理(DRM)技術などの3件の特許をAppleが侵害しているとして、8億5200万ドル(約1030億円)の賠償支払いを求めていました。Appleはこの訴えに対し、損害額は450万ドル(約5億4500万円)以下であると主張しており、両者の間には大きな隔たりがあったのですが、2015年2月に連邦陪審はSmartFlashの主張をほぼ認めた内容の判決を下していました。

Apple Told by Jury to Pay $532.9 Million in Patent Trial - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-02-25/apple-told-by-jury-to-pay-532-9-million-in-gaming-patent-trial

アップルに5億3300万ドルの支払い命じる評決--特許3件の侵害で - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/business/35060940/

今回の棄却決定について審理を担当したロドニー・ジルストラップ判事は、評決を下す陪審団に対する説明が損害賠償額に対して偏った理解を招いた可能性があったことを理由に挙げているとのこと。Appleは判事の決定についてのコメントは発表していませんが、CNETに宛てた声明の中で以下のように一方で「Smartflashは制度を『利用』している」と語っていたとのこと。

「Smartflashは製品を製造せず、従業員も持たない。雇用を創出せず、米国に実態がないにもかかわらず、特許制度を利用して、Appleが発明した技術からロイヤリティを得ようとしている。われわれの従業員らが年月をかけて考案したアイデアで得た金銭をこのような企業にむしり取られることを拒否するため、この争いを上位の裁判所に持ち込むしか選択肢がない」

一方のSmartFlash側のブラッドリー・コールドウェル弁護士は、コメントを発表していないとのこと。再審理は9月14日にSmartFlashが拠点を置くテキサス州タイラーにおいて実施されることになっており、賠償額の認定についての審理が行われることになっています。

By Glenn Sapaden

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by darkhorse_log

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