メモ

Appleが電子書籍価格操作で司法省に真っ向勝負を挑んだ裁判で敗訴


複数の出版社と共謀し、電子書籍の価格を操作していたとしてAppleが訴えられた裁判において、Appleは2013年に行われた第一審の判決を不服としてアメリカ司法省を相手取り控訴しました。その控訴審が2015年6月30日に行われ、第2巡回区控訴裁判所は第一審を支持する判決を下しAppleが敗訴しました。

Apple Loses Federal Appeal in E-Books Case - WSJ
http://www.wsj.com/article_email/apple-loses-federal-appeal-in-e-books-case-1435673945-lMyQjAxMTA1MjM3MDUzNjA3Wj

Appeals court says Apple is liable for e-book price fixing | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/06/appeals-court-says-apple-is-liable-for-e-book-price-fixing/

電子書籍の価格操作を巡る裁判は、司法省が「Appleと出版大手5社が協定を結び電子書籍の価格を引き上げた」として2012年4月に起こしたもので、2013年6月に行われた第一審では「Appleの価格操作は反トラスト法(独占禁止法)違反である」という判決が下されました。

By Taylor

同訴訟で問題となっていたのは、出版社がiBooks Storeで販売する電子書籍の価格を自由に決定する「エージェンシーモデル」という契約をAppleと出版大手5社が結んだこと。アメリカの出版業界では小売店が価格を設定する「ホールセールモデル」というのが通例です。2007年に電子書籍リーダー「Kindle」を発売したアメリカのAmazonも当初はホールセールモデルを採用していて、新書やベストセラー作品を9.99ドル(当時のレートで約1200円)で販売。9.99ドルという価格はかなり安かったようで、アメリカの出版業界はAmazonに対して大きな脅威をいだいていたとのこと。

Appleが出版社とエージェンシーモデル契約を結んだことで、iBook Storeでの新書やベストセラー作品の価格は12ドル(約1500円)から20ドル(約2400円)前後に設定。これを契機に、Appleと契約を結んだ出版社によりAmazonに出品されていた電子書籍の価格が、それまでの9.99ドルから12.99ドル(約1600円)~14.99ドル(約1800円)に値上げされることに。この価格変動を重く見た司法省が「Appleおよび出版社の行為が価格操作に該当し反トラスト法違反でないか」として2012年4月に訴えを起こしたというわけです。

Appleとエージェンシーモデル契約を結んだ出版5社は司法省と和解しましたが、Appleは「価格操作を行っていない」として司法省と第一審を行い、上述の通り「Appleが中心となって電子書籍価格をつり上げ価格操作を行った」とする判決が下されました。その後、Appleは第一審を不服とし司法省を相手取って控訴審に上訴することになります。。


しかしながら、2015年6月30日に行われた控訴審では第一審を支持する判決が下され、Appleは第一審に続いて敗訴。司法省がAppleを訴えた2012年以降には、消費者を代表してアメリカの33州が反トラスト法に違反したとして賠償金を求める裁判をAppleに対して起こしており、今回の控訴審でAppleの敗訴が確定した場合に4億5千万ドル(約550億円)を支払うことで両者は合意済み。つまり、Appleは今回の敗訴を受けて4億5千万ドルを払うことになったというわけです。

なお、Ars Technicaは控訴審の判決に関してAppleにコメントを求めていますが、記事作成時点でAppleからのコメントは届いていないとのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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