Amazonのアプリストアで子どもによる勝手な課金を親に請求するのは違法と裁判所が判断
by Ben Mortimer
Amazon Android アプリストアで無料のアプリやゲームをダウンロードし、子どもが誤ってアプリ内アイテムなどを購入した場合、「子どもの両親に課金代金を請求するのは違法」だとアメリカ連邦裁判所が判決を下しています。
Federal Court Finds Amazon Liable for Billing Parents for Children’s Unauthorized In-App Charges | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2016/04/federal-court-finds-amazon-liable-billing-parents-childrens
Amazon illegally billed parents for kids' in-app purchases, judge rules | The Verge
http://www.theverge.com/2016/4/27/11517794/amazon-liable-in-app-purchases-by-children-ftc-ruling
Amazon Android アプリストア上で、子どもが無料のアプリをダウンロードし、課金の知識や親の許可がないままにアプリ内課金を行ってしまう件について、2014年頃からAmazonに苦情が殺到していたとのこと。理由として、Amazon Android アプリストアで無料アプリをダウンロードした際に、アプリ内課金に関する警告が何も表示されなかったという点が挙げられています。
Amazonはユーザーからの苦情を受けて、アプリインストール時に課金に関する警告文を表示したり、パスワードの要求を行ったりなどの対策を行いましたが、取引委員会は「対応が不十分である」と判断し、訴訟に至ったとのこと。その後、Amazon Android アプリストアでは、アプリをダウンロードする前に、アプリ内課金を許可するかどうかをポップアップ画面で尋ねる仕様に変更されています。
アメリカ連邦裁判所は、「Amazonは、無料のアプリについて、アプリ内に課金要素があることをユーザーに対して事前に十分に通知しておらず、驚くような課金額を顧客に請求した」という連邦取引委員会の主張を支持。2016年4月26日に、「子どもが間違ってアプリ内で課金してしまった代金を、Amazonが子どもの両親に請求するのは違法だ」という判決を裁判所が出しました。
取引委員会のEdith Ramirez代表は、「『子どもが無意識的に課金してしまった場合は、Amazonが責任を負うべきだ』と裁判所が判断したことをうれしく思います」とコメント。また、取引委員会では、2011年11月から2014年6月にかけてユーザーが間違って課金してしまった代金を、Amazonが全額返金することを要求しています。
取引委員会がAmazonに対して今回の訴訟を起こしたのは2014年のことで、AppleとGoogleに対しても同様の訴訟を起こしています。3社から消費者に課金代金が返金されれば、合計で5000万ドル(約56億円)以上の額にのぼると見られています。
・関連記事
基本無料(F2P)ゲームで課金させる巧妙な収益化戦略が明らかに - GIGAZINE
ソーシャルゲームで課金経験のある人の6割は課金を反省・後悔している - GIGAZINE
ゲームをダウンロードしすぎて課金されまくった少年が首つり自殺 - GIGAZINE
Amazonが一部の人気商品をプライム会員限定で販売し始めたものの大バッシングで撤回 - GIGAZINE
Amazonプライムの会員になっていないと配達時間がどんどん遅くなっていくことが判明 - GIGAZINE
・関連コンテンツ