日本で唯一の「ボンカレーライス自動販売機」がまだ稼働しているところを見てきた
都市圏なら歩いて数分の範囲に複数のコンビニエンスストアがあり、そうではないところでも広大な駐車場を備えたコンビニエンスストアがあって、24時間好きな食べ物・飲み物が手に入るようになると、「自動販売機」が役立つシーンは以前ほど多くはないのかもしれません。その数ある「自動販売機」の中で、いまや日本で唯一だという「ボンカレーライス自動販売機」が徳島県でまだ稼働しているという話を耳にしたので、見に行ってみることにしました。
場所はここ、徳島県阿波市。徳島駅前から約30分ほどのところにあります。
徳島県道12号鳴門池田線(撫養街道)を西へ走っていくと、阿北自動車教習所・阿波高校への道を過ぎてすぐ左手側にゲームセンターのような表示の建物が見えてきます。
これが目標の「コインスナック御所24」です。名前の通り24時間営業で、向かって左側の出っ張った部分はゲームコーナー、右側は自動販売機コーナー。
自動販売機コーナーはこんな感じ。飲み物中心ですが、右から2番目はロッテのガム自販機、右端は「アトム手袋」自販機。
この左側にもずらっと自動販売機が並び……
建物の陰に入ったあたりから食べ物系の自販機が並びます。
そこに「カレーライス 温かいうちに早目にお召し上がりください。」というプレートが。
発見、これがボンカレーライス自動販売機です。描かれているのは野球のユニフォームっぽい姿の笑福亭仁鶴。
「ボンカレーライス」というのはライス付きのボンカレーのことで、1970年代に自動販売機が全国に展開されていきました。いまは食品系の自動販売機がかなり減っており、カレーライスの自動販売機となると見かけることは稀ですが、中でも「ボンカレーライス自動販売機」はこれが国内で唯一稼働しているものだそうです。
価格は1つ300円で、中辛と辛口が選べます。
お金を入れてボタンを押すと、商品が即座に落ちてきます。
駅弁のように、容器の天面が紙で包まれています。
これをはがすと、ごはんの容器の上にカレーのレトルトパウチがセットになっていたということが分かります。しかし、「ボンカレー自動販売機」だというのに、大塚食品のボンカレーではなく、ハウス食品の咖喱屋カレーが……?
とにかく今は温かいうちにカレーを食べることが第一。ごはんの容器のふたをとって、ビニールをはがします。
そして開封したレトルトカレーをかければ……
完成です。
コンビニで500円前後出せばチルドのカレーライスを買えますが、ごはんをレンジで温めているわけではないので、瑞々しくホクホクのものが食べられるという幸せが大きいです。
カレー自体も、自分でレトルトパウチを開封してかけているだけですが、この雰囲気とよく合っていて、300円でこれが食べられるなら満足だなぁという印象でした。
ちなみに、飲食スペース全景はこんな感じ。
「ひょっとして、辛口なら……?」と、念のために辛口も購入してみましたが、こちらも咖喱屋カレーでした。
ごはんの量は多めなので、2杯食べるともうお腹がパンパンです。
調べたところ、2014年にはボンカレーではなく、ハウスのカレーを入れるようになっていたとのこと。「懐かし自販機~味わいの昭和レトロ自販機コーナー」というサイトでは2010年7月と2012年4月にコインスナック御所24を訪れていて、この記事ではまだボンカレーだったころの姿を見ることができます。
なお、ボンカレーライス自動販売機の隣は日清のカップヌードル・どん兵衛自動販売機ですが……
徳島らしく「金ちゃん焼そば」と「金ちゃんヌードル」が並んでいました。
これはうどん・そば自動販売機。富士電機製で、飲料系の自動販売機ほどではないものの、全国各地にぽつぽつと残っている模様。
品はきつねうどんと天ぷらうどんの2種類で、いずれも250円。
うどんが出ないこともあるようで、そのときにはインターホンで連絡して欲しいとのことでした。
自動販売機の上に設けられていたインターホン。
「コカ・コーラの自動販売機」自体は珍しくありませんが、これは瓶専用タイプ。
紙幣投入口の左隣に栓抜きがついています。
取り出し口の形状が通常の自動販売機と違うので印象が異なりますが、仕組みはまったく同じ。
自動販売機の上に瓶の回収箱が置かれているので……
シュポッと栓を抜いたら、その場で飲みきってしまいましょう。
この種の自動販売機コーナーはみんなコンビニに負けてしまったのではないだろうか、と思っていたのですが、このコインスナック御所24の向かいは、元コンビニとしか思えない建物を改装したコインランドリーでした。自動販売機がコンビニに勝った、ということでしょうか……。
◆オマケ
ちなみに、徳島には他にもこの種の「コインスナック」や飲料以外の自動販売機の置かれている場所があるということだったので、巡ってみることにしました。まずはコインスナック御所24から県道12号を10分強西進したところにある「ルート鴨池」。
コインスナック御所24と同じような自動販売機コーナーがあります。
ただ、以前はカップヌードルの自動販売機があったそうなのですが、数年前に撤去済みで、現在は飲料の自動販売機しかありませんでした。
続いては、美馬郡つるぎ町の「めん処かねか」。国道192号(伊予街道)沿いにあります。
ここはセルフうどんの店で……
店の向かって左側に「手打ちきつねうどん自販機」が設けられています。
価格は天ぷらうどん、きつねうどんとも300円。この時間帯は売り切れでした。なお、店の背後すぐを徳島線が通っていますが、最寄りの小島駅からは2kmほどあります。
最後は阿南市橘町豊浜の「横田自販機コーナー」。自動販売機だけしかないのですが、Googleマップにも登録されています。
周囲はこんな感じの工業地帯。写真右端、ブロック塀で囲われているのが……
自販機コーナーです。
手前は飲料系ですが、奥にめん類の自販機があります。
何台か見ている、富士電機製。
これが最後の訪問地だったので、天ぷらうどんを買うことにしました。購入から完成まで25秒の様子はこんな感じです。
うどん自動販売機で購入~調理~完成まで - YouTube
自販機本体内から、割り箸と七味を取ります。
一瞬、すうどんにしか見えませんが……
具材は底側に集中していました。
七味をぱらり。
冷凍うどんをチンした時よりはプリッとしたうどん。天ぷらは、だしの中に沈んでいたので全体的にホロホロと崩れます。
実はエビ天だったということに気付いたのは、食べ終わる直前でした。
ちなみに、うどん自販機の並びには木目調の装飾がイカした雰囲気のコーヒー自動販売機もありました。
ココア50円、生姜湯30円、アメリカンコーヒー50円、カフェオレ50円、スタンダードコーヒー50円。左から2番目、品切れの「ブラジオーレ」とは一体……。
ボンカレーではないカレーを販売するようになったとはいえ国内唯一である「ボンカレーライス自動販売機」については、オーナーがパーツ取り用の本体を何台か所有しているので「故障したのでおしまい」ということはないようです。
とはいえ、数年前にはあったカップヌードル自動販売機がなくなってしまっていたりしたので、見てみたい、食べてみたいという人は、ぜひ機会を見つけて、早いうちに行っておいた方がいいかもしれません。
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