もし歴代のロックスターがSNSでやり取りしていたらこうなる「History of Rock」

スマートフォンが世界中で普及し、FacebookなどのSNSを使えば遠く離れた友人の近況などがカンタンに確認できるようになりました。そんなSNSがもし1950年代から存在していたら、ビートルズは誰に「いいね！」を押すのか、イーグルスは誰からコメントを付けられるのか、という状況を実現してしまったムービーが「History of Rock」です。存在しなかった「ロックの歴史」をマッシュアップ風にリミックスされた歴代の名曲と共に見ることができ、ロックが好きな人なら「この時代懐かしい！」という気持ちになれる内容になっています。

History of Rock on Vimeo


1957年にエルヴィス・プレスリーが「監獄ロック」の動画を投稿するところからHistory of Rockがスタート。さっそくクイーンとジェフ・ベック・グループからいいね！がつけられています。

1968年にクリームが「Sunshine of your Love」の動画を投稿すると、20年後にメンバーの一員であるエリック・クラプトンが自ら「このリフはJimi(ジミ・ヘンドリックス)に捧げたものだった」とコメント。

こんな感じで次々とすさまじいタイムラインが流れていきます。ビートルズのリンゴ・スターとローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツがドラマー同士で友達になったり、ローリング・ストーンズが1969年のマディソン・スクエア・ガーデンのライブ風景をアップロードしたり……

1970年にレッド・ツェッペリンが「胸いっぱいの愛を」の動画を投稿したりと、ついついスクロールしたくなるタイムラインです。

1979年にはクイーンが「Don't Stop Me Now」の動画を投稿し、レッド・ツェッペリンがいいね！を押しています。その下ではひっそりとキンクスも動画をシェア。

ビートルズ、ローリング・ストーンズに並ぶイギリスの3大ロックバンドと言われるThe Whoが「Baba O'Riley」をシェアすると、セックス・ピストルズがいいね！を押しており、2010年にスラッシュが「お父さんがThe Who聞いてたよ」と言ったり、2016年にパンクの女王と言われるパティ・スミスが「60年代にThe Whoを聞いてなかった人なんているの？」とコメントしたりと、時代を超えたやり取りが実現しています。

さらに1967年にビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の動画を投稿し……

1977年にイーグルスが「駆け足の人生」をシェア。するとセックス・ピストルズのベーシストであるシド・ヴィシャスが「おれたちは最高のバンドだろ？だけどイーグルスは俺たちよりカッコいいんだ」とベタ褒め。

ディープ・パープルは1973年の「Smoke on the Water」を投稿。

1980年にクラッシュが「Train in Vain」の動画を投稿したところ、2002年にU2のボノが「クラッシュは最高のロックバンドだった。彼らはU2の作り方を歌ってくれたんだ」とコメントしています。

2014年のヘルフェストでトリを務めるなど、現役でも活動中のブラック・サバスも、フランスで行なったライブ風景をシェア。

1994年当時に駆出しのオアシスがデビュー曲となる「Supersonic」を投稿。

と思ったら1979年にシェアされたピンク・フロイドの「アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール 」の動画が流れてきたり……

2016年に死去してしまったデヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」の投稿には、多くのロックバンドからコメントやいいねが集まっています。

ほかにもガンズ・アンド・ローゼス

クイーン

AC/DCなど、70年～80年代を代表するロックバンドたちが投稿したライブ映像がタイムラインを流れていきます。

するとFacebookの2015年の新機能「過去のこの日」を使ったのか、ドアーズが1971年の「Riders On the Storm」の動画を再投稿するなど、すでにこの世を去ったロックスターから現代で活躍中のロックスターたちによってつづられた空想の歴史が流れていくわけです。

なお、ロックバンド以外にもフジロック・フェスティバルの公式らしきアカウントが1997年の第一回となる開催情報を投稿するシーンがあります。ただし、この年は山梨県の富士山のふもとで開催されたはずですが、現在の開催地である新潟県にチェックインされていました。

1997年のフジロックは「地獄」と形容されることもあり、死者が出なかったのが幸いなほどの悪天候に見舞われた年だったのですが、出演していたフー・ファイターズのデイヴ・グロールが「初日に台風が直撃して目も開けられない状態だったよ……。6000万ワットの電気が走る中エレキギターを持っていて、完全に死んだと思ったぜ……。ありえなかったけど完全に最高だった」とコメントしているのが当日を物語っています。

この後も現代に至るまでホワイト・ストライプスやゴリラズなどの投稿が続きます。また、ムービー中の音楽は複数の楽曲を合わせた全て途切れなく流れるマッシュアップとなっており、音楽だけでも十分に再生の価値ありな作品となっています。