体の脂肪燃焼レベルを息を吹き込むだけで測定できる機器「Levl」が登場

健康を気遣う人にとって体重と同じぐらい気になるのが、体についた脂肪の量を示す体脂肪率です。脂肪を落とすために水泳やウォーキングなどの有酸素運動を続ける人も多いと思いますが、日々の生活でどれだけ脂肪が燃焼しているのかを息だけで測定できる機械「Levl(レヴル)」が発表されました。

Technology | LEVL
http://www.levlnow.com/technology

Levlは少し小さめのお弁当箱ぐらいのサイズで、前面には計測結果をランプの数で知らせるレベルスコアを配置。右に書かれているブレスポッドに息を吹き込み、上部のふたを開け、右側にあるリーディングポート(読み込みポート)にセット。すると、ものの数秒で呼気が分析されて脂肪燃焼レベルが表示されます。

脂肪燃焼レベルを計測するキーとなるのが、吐いた息の中に含まれる微量物質であるアセトンの量です。アセトンは体内の脂肪が燃焼されてエネルギーに変えられる際に生成される物質で、呼気として排出される他、皮膚から体外へと放出される物質。このアセトンの量が多いほど、脂肪がよく燃焼しているということになるわけです。

Levlはアメリカ・ラスベガスで開催中のCES 2016で発表されています。会場をレポートしているNBCやThe Vergeが実機を手に取ったレポートを掲載しています。

Breathalyzer can tell whether you're burning fat
http://www.usatoday.com/story/tech/news/2016/01/05/breathalyzer-can-tell-whether-youre-burning-fat/78338676/

Levl tells you how much fat you're burning by measuring your breath | The Verge
http://www.theverge.com/2016/1/5/10721534/levi-breathalyzer-fat-burn-ketosis-acetone-ces-2016

The Vergeの記者が実際にLevlを試したムービーを見れば、どのように計測を行うのかがよくわかります。

Levl measures fat burn by measuring your breath — CES 2016 - YouTube

これが息を吹き込むためのブレスポッド。

「フーッ」と息を吹き込み……

リーディングポートにポッドを入れ、フタをしめると分析が始まります。

わずか数秒で分析が完了し、インジケーターに結果が表示されました。結果は6段階で表示され、数字が大きいほどよく脂肪が燃焼していることを示します。今回の結果は「3」というもので、それほど燃焼は起こっていない様子でした。

計測の結果は、スマートフォンのアプリで管理できるようになっており、画面で脂肪燃焼レベルを確認できるほか、画面をタップしてアセトンの濃度や脂肪の推定燃焼量を確認できるようになっています。

また、日々のデータを管理してグラフで表示することなども可能になります。

Levlはまもなく予約の受付が開始される段階で、市販価格は500ドル(約6万円)前後になるとみられています。

・参考
日本のNTTドコモでも、同様にアセトンの濃度をもとに脂肪の燃焼度を測定する機器が開発されています。その研究結果は、ドコモR&Dの広報誌「テクニカル・ジャーナル」に掲載されています。

(PDF)02-12_皮膚アセトン - vol23_2_012jp.pdf

ドコモR&Dは、皮膚表面から排出される「皮膚ガス」に含まれるアセトンの濃度を測定できる測定装置を開発。この装置は、2014年の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN」の会場で発表されていました。

・おまけ
Levlを開発したMedamonitorのサイトでは、体脂肪率を体重や首・ウエストのサイズなどから算出できるようになっています。男性は身長・体重・首とウエストのサイズ、女性はこれにプラスしてヒップサイズを画面に入力すると、体脂肪率が表示されるようになっていました。

Body Fat Calculator | LEVL