ル・マンを戦った「GT-R LM NISMO」を追ったGoProの4Kムービーが公開中

F1モナコグランプリ、、インディ500に並ぶ世界3大自動車レースにあげられるル・マン24時間耐久レースに参戦した日産のレーシングカー「GT-R LM NISMO」の挑戦をGoProで記録した4Kムービーが公開されており、開発やレースの舞台裏の貴重な数々のシーンを見ることができるようになっています。
◆Nissan GT-R LM NISMOとは
ロードレーシングカーには極めてまれな前輪駆動レイアウトを採用した独創性極まるクルマがNissan GT-R LM NISMOです。フロントにハイブリッドシステムを含むエンジンを搭載するため、ドライバーシートから前のノーズ部分が極端に長いレイアウトになっているのが外観上の大きな特徴です。
NISSAN MOTORSPORTS|the FIA World Endurance Championship

2015年のFIA 世界耐久選手権(WEC)に投入されることになってたGT-R LM NISMOですが、シーズン前半はテストに専念するため参戦を見送り、6月のル・マン24時間耐久レースで実戦デビューを果たします。しかし、画期的すぎるレイアウトパッケージが災いしたのか、それともテストの進み具合が芳しくなかったためか、予選では規定のタイムを出すことができずに大苦戦。決勝では出走した3台のうち2台がリタイヤし、1台が242周を走りきって完走を果たしましたが、残念ながら参戦したLMP1クラスでは規定周回数に達しないため、リザルト上は完走扱いとはなりませんでした。
しかしGT-R LM NISMOの本質は挑戦する事への意義であるといいます。以下のGoProの25分にも及ぶ長編ムービーでは、その足跡が記録されています。
GoPro: The Art of Innovation - Nissan GT-R LM NISMO in 4K - YouTube

アメリカ・インディアナ州にあるNISMOのレースショップでマシンは組み立てられます。NISMOは、日産の関連会社でモータースポーツ関連の運営を行っています。

フロアに置かれたマシンのモノコックボディ。真っ黒なカーボンファイバー製です。

作業用の台車に載せられたV6ツインターボエンジンの姿も。

マシンの組み立て中。エンジンが前につくので、一般的なレーシングカーでは見慣れない光景です。

金属加工を行うFab Shop。ここから先のエリアは、目を保護するグラスの装着が不可欠とのこと。


ル・マン24時間耐久レースまであと126日のタイミングで、テストが実施されました。

ステアリングを握るのは、イギリス人ドライバーのハリー・ティンクネル。

フルード(作動油)らしき液体を追加して着々と準備が進む様子。

別のドライバー、オリヴィエ・プラの姿も。コクピットに座ったまま打ち合わせ中ですが、まるで三角座りのように脚を折り曲げるコクピットの狭さが伝わってきます。これもエンジンが前にあるFFレイアウトによるものでしょうか。

小型のGoProならではのドライバー目線。ル・マン当日は、3名のドライバーがこのコクピットに入れ代わり立ち代わり乗り込んで、24時間先のゴールを目指して走り続けます。

初走行の開始

V6特有の重いような、軽いようなエンジン音を立てて走行は完了しました。

ル・マンまで119日の時点で、今度は夜間走行のためのテストを実施。

強力なヘッドライトと路面脇の照明を頼りに走行。何度ル・マンを走ったドライバーでも、夜間はやはり緊張のレベルが違うといいます。

残り74日の時点でもテスト。今度は昼間のサーキット。

クラッシュしたのか、無残にも割れてカーボン地がむき出しになったカウル。

かなりの距離を消化したのか、ボディサイドは汚れで真っ黒。

こんな様子でル・マン当日に向けた開発が進められていきました。

そしてついにル・マンウィークが到来。3名のドライバーはドライバーズパレードに登場。

子どもにサインをせがまれる場面も。

GT-RやNissan、NISMOの文字が書かれた旗を振る人も。

セルフィー棒を使ってみんなでパシャリ。

こちらのおじさんは体じゅうにサイン。

ジーンズにサインしてもらう人もいます。

そしてル・マン開幕が近づくと、会場となるサルトサーキットに隣接するアルナージュ空港では、1台のクルマがなにやら作業中。

レーシングスーツを着て、ヘルメットを被るドライバー・ヤン・マーデンボローの姿。

そこに到着したのは、3台参戦するGT-R LM NISMOのうちの1台である「21号車」。なんと21号車は組み立てが完了したばかりの状態とのことで、ル・マン前日にシェイクダウン走行を行うという慌ただしいスケジュールだったとのこと。

チーム唯一の日本人ドライバー・松田次生の姿も。あとの2台が開発を進めていたためか、21号車も無事にシェイクダウンを済ませてレースに参戦できるようになりました。

2日間の予選を終え、ついに決勝レース当日が到来。

上空にはフランス空軍の戦闘機が飛来してお祝いムード。

マシンに乗り込み……

健闘を祈って握手でドライバーを送り出します。

レースがスタート!

残り時間は「23時間59分59秒」を指し、長い1日の始まり。

大音量に思わず耳を押さえる子どもの姿

23号車がピットイン。ここから給油やタイヤ交換、そしてドライバー交代などが慌ただしく行われます。




GT-R LM NISMOは同クラスのマシンに比べてタイムが上がらず、淡々と周回を重ねます。

日が落ちてくると、徐々にサーキットが闇に包まれます。

グランドスタンドも閑散とした状況に。

それでも続くレース

ピットクルーにも疲労の色が。

ピットインしているのは、異物に衝突して車体が破損した22号車でしょうか。

レース開始から10時間、走行中にフロントタイヤが外れるトラブルに見舞われた21号車がリタイヤ。

ル・マンの夜は更け、名物の観覧車もライトアップ。

徐々に夜が明けてきました。

スタートから22時間40分が経過した頃、23号車が突如ストップします。心配そうにモニターを見つめるチームクルーたち。

23号車を担当するドライバーの一人、マックス・チルトンは「ギヤが3速にスタックした(固定された)らしい」と語ります。その後、再スタートを試みるも23号車はレース終了までおよそ1時間というところでリタイヤ。

レースも後半にさしかかると、チームクルーのスーツもかなり汚れが目立ちます。

そしてついにチェッカーの時。2015年のレースを完全勝利で制したポルシェがゴール。

そして、GT-R LM NISMOの22号車もチェッカーを受けることができました。

ピット前を通過してチームクルーをねぎらう22号車

ゴール後のメインストレートは大混雑状態。これから表彰式が行われます。

勝者のポルシェチームらによるシャンパンファイト。残念ながら低迷してしまった日産ですが、今後の再起を期待したいところ。

なお、日産はGT-R LM NISMOによるレース参戦を当面見送って、開発に専念するという姿勢を発表。今後どのような形で復活するのか気になるところです。
【WEC】日産、GT-R LM NISMOによるレース参戦を当面見送り | レスポンス
http://response.jp/article/2015/08/08/257531.html
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in 乗り物, 動画, Posted by darkhorse_log
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