「プライベートスペース」から「マー坊」復活、モトGPマシンや新型スクーターなどのモデルが並んだスズキのブース
2015年10月30日(金)から一般公開が始まる東京モーターショー2015のスズキブースでは、往年の名車をほうふつとさせるクルマや「走るプライベートラウンジ」、そして気軽に乗れていろいろな楽しみ方があるバイク・スクーターなど、コンパクトカーやバイクを得意とするブランドらしい展示が行われていました。
TOKYO MOTOR SHOW WEB SITE
http://www.tokyo-motorshow.com/
スズキのブースに潜入。
ブース内にあるステージ上には、真四角のボディと独特の表情が印象的なコンセプトカー「Air Triser(エアトライサー)」や……
ステップ部分に荷物をのせてどんどん運べるスクーター「Hustler Scoot(ハスラースクート)」といったコンセプトバイクを展示。
ちょっとファニーなフェイスのコンセプトカーは、「遊びゴコロを忘れない人のアーバンアウトドア」と銘打たれた「Mighty Deck(マイティデッキ)」
気軽に乗れる楽しさを形にした「Feel Free Go!(フィール フリー ゴー!」
そして、高いオフロード性能のコンパクトクロスオーバー「Ignis Trail Concept(イグニス トレイル コンセプト)」の5車種が展示されていました。
四角い物体のように立ちはだかる「Air Triser」は、大きな(といっても全長4.2メートル)の車体の中にお気に入りのプライベート空間を作るクルマ。シルバーのボディにワインレッドがアレンジされ、えもいわれぬ迫力があります。
ボディ中央のSマークは、ドアを開閉するスイッチにもなっていました。
ドアがガバッと開くとこんな感じ。車内には3列シートがレイアウトされています。
助手席側から運転席側をみるとこんな感じ。
ハンドル横にはタブレットのような画面を装備。
ドライバー席と後部座席の頭上はサンルーフになっており、開放感抜群。
Bピラー部分にインフォメーションディスプレイが内蔵されているのは、イマドキのコンセプトカーをよく現した部分といえそう。
このクルマの特徴は、なんといっても3列シートが自動で並び変わって巨大なソファーになるところ。ソファーにアレンジした様子はこんな感じです。
シートが動いてソファーになる様子とソファーの室内風景、そしてシートが元に戻る様子は以下のムービーで見ることができます。
スズキのコンセプトカー「エアトライサー」のシートが動いてソファーモードに切り替わる様子 - YouTube
シートが動くことで、室内には巨大なプライベート空間が誕生。いろいろな使い方を感じさせてくれるコンセプトカーでした。
次に見たのは、座席空間の後に独立した荷物デッキを設けることで、自由な遊び心を刺激するアーバンアウトドア「Mighty Deck」です。軽4サイズの車体に2名分のシートを持つコンパクトな室内、そして後部のデッキといえば、いやが応にも往年のスズキの名車、マイティボーイ・通称「マー坊」を思い出さずにはいられません。
Mighty Deckはシート後部がこのようにデッキになっており、荷物を置くことが可能。
トランクも開閉が可能で、イメージはまさに遊べる軽4ピックアップトラックの代表格だったマー坊と共通する楽しさを提供するクルマといえそう。
上の写真ではデッキとシートエリアが直結していましたが、ボタン一つで壁が立ち上がり、仕切りのガラスで仕切られるようになっています。さらに、デッキ部分が自動で持ち上がって雨などの侵入を防ぐようにもなります。
電動でデッキ部分の仕切りが変形する様子は以下のムービーから。
後部がデッキになって自由に使えるスズキのコンセプトカー「マイティデッキ」のデッキが変形するところ - YouTube
デッキには、スライド式のフックを装備。
ボタンプッシュ式のドアを開けて室内を見てみます。
シンプルな室内で、フロントウィンドウの真下にはインフォメーションディスプレイが内蔵されていました。
Mighty Deckのルーフ部分は、電動で開閉できるキャンバストップとなっています。これも遊び心を感じさせる装備。
トップを閉めるとピッタリ収まって雨風を凌げるというわけです。
Mighty Deckは、運転席後方にマー坊にはなかった2名分のシートを持つ車体ですが、さすがにミニマムなサイズ。
遊び心満点のMighty Deckは、このモーターショーでの反響を見て今後の行く末を検討したいとのこと。気になった人は会場を訪れて強力にプッシュしておくと良さそうです。
壇上のクルマの3台目は、スズキの新型車「イグニス」をオフロード風に仕立てたクロスオーバー「Ignis Trail Concept」。イグニスをベースに、大径のオフロードタイヤやスポーティな色使いでアクティブなイメージを感じさせるクルマです。
ところどころに入れられたオレンジ色のアクセント
ルーフはブラックに塗られていました。
室内にもオレンジのアクセントが入っており、なんとなくワクワクするようなイメージ。
明るい室内はアクティブな楽しみを予感させてくれるよう。
Ignis Trail Conceptは、通常のイグニスをベースにしたデザイン提案モデル。反響次第で実際に登場することになるのか、気になるところです。
ステージを降りたところでは、今後登場予定のクルマも並べられています。待ちわびているファンも多い「アルトワークス」も参考出品車を展示。
メッキ処理された精悍なマスクに入った「WORKS」のエンブレムを見て興奮を隠せない人も多いはず。
搭載されるエンジンは、すでに登場済みの「アルト ターボRS」をベースに専用のチューニングを施したもの。規制枠の64psを越えるのは難しいようですが、トルクを若干厚くして加速性能を強化してあるそうです。
ペダルはアクセル・ブレーキ・クラッチのABCペダルが並ぶレイアウト。ということは……
アルトワークスには、5速マニュアルトランスミッションを搭載するとのこと。これでさらにダイレクト感が増したドライビングが楽しめることになるはず。車重がアルト ターボRSと同じレベルの700kg前後になると思われることから、かなり刺激的な走りになると予想して間違いはなさそうです。
リヤトランクにもWORKSのエンブレム。登場時期や価格はまだ不明ですが、近いうちにリーズナブルな価格で登場することを期待したいところです。
なお、生産終了から15年以上が過ぎてもまだファンの多いスズキの2シーターオープンモデル・カプチーノの復活が東京モーターショーのたびに取り沙汰されますが、スズキの中の人に聞いてみると「難しい」や「たぶんないと思います」という答えが返ってくるばかりで残念なところ。とはいえ、ダイハツ・コペンやホンダ・S660が登場しているので今後も粘り強いアピールをしておいたほうが良いのかも。
場内にはまた、新型コンパクトハッチバック「BARENO(バレーノ)」が置かれていました。「究極のハッチバック」を目指したというモデルで、欧州では2016年にも発売が予想されているモデル。
こちらは市販が間近と噂されるコンパクトクロスオーバーモデルの「イグニス」。イグニスは初代「スイフト」の海外名であることから「スイフトの再来」と期待が集まるモデルです。
室内の様子なども完成間近を感じさせるものでした。
市販が決定している新型「エスクード」も展示されています。
こちらは参考出品車の軽トラ・キャリイの「軽トラ市仕様」というモデル。軽トラの広い荷台を活かして、移動先でそのままお店が開ける工夫が盛り込まれているようです。
バイクエリアには、スズキの二輪スポーツのスピリットを表現したコンセプトオブジェ「Concept GSX」が置かれています。
和紙のようなテクスチャを持つ造型で、内部でうごめく光はまるで生きているような鼓動を感じさせるものになっています。
そんなオブジェの裏側には、スズキ二輪スポーツの最高峰となるモトGPマシン「GSX-RR」が展示されています。
GSX-RRは置かれているだけでなく、なんと跨がってみることも可能。実際にステップに脚を乗せてハンドルを握ってみると、思わず「うひょっ」と声が出てしまいそうになるので要注意。一般公開日でも跨がることは可能ですが、整理券が配布されることになるようです。
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