サイエンス

32億画素の超弩級カメラ製造にゴーサイン、2022年に宇宙の写真を撮影開始予定


2015年1月に予算案が承認された大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)のコアとなる32億画素のカメラの製造に対して、アメリカ合衆国エネルギー省(DoE)がゴーサインを出しました。すでに、カメラの組み立てを行うための2000平方フィート(約186平方メートル)のクリーンルームは完成しているそうです。

World’s Most Powerful Digital Camera Sees Construction Green Light | SLAC National Accelerator Laboratory
https://www6.slac.stanford.edu/news/2015-08-31-world%E2%80%99s-most-powerful-digital-camera-sees-construction-green-light.aspx


このDoEによるゴーサインはLSST建造の中で「Critical Decision 3」と呼ばれる大きな節目であり、LSSTのディレクターであるスティーヴン・カーン氏は「これで我々は部品を手にして、カメラを作ることができます」と安堵のコメントを出しています。

LSSTはチリのパチョン山に設置予定の赤外線望遠鏡で、今回ゴーサインの出た32億画素・重さ3トンというデジタルカメラを使い、1枚でHD対応テレビ1500台分に相当する高解像度写真を撮影します。このカメラはフィルターを掛け替えることで、近紫外線から近赤外線までの波長を捉えることが可能。


撮影する写真の量は1年間で600万GB(約6ペタバイト)になる見込みです。これは、800万画素のデジタルカメラなら毎晩80万枚の写真を撮り続る必要がある量です。撮影した写真は、銀河の構成や潜在的に危険な小惑星、超新星爆発、ダークマターとダークエネルギーの研究などに用いられます。

全米研究評議会は「Astro2010: The Astronomy and Astrophysics Decadal Survey」の中で、これから10年の地上での最優先事項にLSSTを挙げています。

なお、LSSTは望遠鏡用の表面レンズなどは完成しているとのことですが、カメラの製造とテストに5年はかかると見られており、運用は2022年からの予定となっています。

LSSTの公式サイトでは、基礎工事の写真が公開されていました。

LSST Construction – Above Ground on Pachón!
http://www.lsst.org/news/lsst-construction-%E2%80%93-above-ground-pach%C3%B3n

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in ハードウェア,   サイエンス, Posted by logc_nt

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