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重さ3トンで32億画素という超ド級カメラ「LSST」が暗黒物質の謎に挑戦


SLAC National Accelerator Laboratoryが開発を計画していた地球から宇宙を観測するための32億ピクセルという超ド級のセンサーを備えるカメラ「Large Synoptic Survey Telescope(LSST)」の建設プロジェクトの予算案が承認されました。10年以上の歳月をかけて構想された壮大な計画がいよいよ実現しそうです。

The New Sky | LSST
http://www.lsst.org/lsst/

World’s Most Powerful Camera Receives Funding Approval | SLAC National Accelerator Laboratory
https://www6.slac.stanford.edu/news/2015-01-09-world%E2%80%99s-most-powerful-camera-receives-funding-approval.aspx

LSSTはチリのパチョン山頂に建造される予定の巨大な望遠鏡で、地球から宇宙を観測・記録できるすべての天域をわずか3晩で撮影可能な超ド級の「デジタルカメラ」です。

これは、2012年に公開された32億画素のLSSTのイメージ画像。大きさはだいたい小型の自動車くらいとのことで、画像の右上に立つ人のサイズと比べれば、LSSTの巨大さが一目瞭然です。


重さ3トンのLSSTは、こんな感じで組み上げられる予定。


当初、2020年の設置が計画されていたLSSTですが、その後、計画は資金調達などの問題もあり遅れていました。しかし、2015年1月9日にSLACは「LSSTの予算が承認され、2022年に宇宙観測をスタートさせる予定である」とついに発表しました。なお、32億画素のLSSTが撮影するイメージデータは、1年間で600万GB(6000TB)というとんでもないデータ量になると試算されており、LSSTが記録する超ド級のデータサイズをサポートするため、LSSTプロジェクトにはGoogleなどのIT企業も参加しています。


LSSTによる宇宙観測が始まると、数十億という宇宙の星々を観測できるだけでなく、宇宙の95%を占めるとも考えられている暗黒物質の謎の解明に近づくのではないかと期待されています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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