進化した子どもを自らの手で作り出すロボット、10世代で性能が2倍に向上
ケンブリッジ大学とチューリッヒ工科大学の研究チームが、自分の世代よりもパフォーマンスを改善した子世代を人の手を借りずに自らの手で生み出して進化していくロボットを作っています。
PLOS ONE: Morphological Evolution of Physical Robots through Model-Free Phenotype Development
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0128444
Robots learn to evolve and improve - BBC News
http://www.bbc.com/news/science-environment-33867941
これはLuzius Brodbeck氏、Simon Hauser氏、飯田史也氏らが進めている研究で、モーターを内蔵したプラスチックの立方体の「赤ん坊ロボット」を、母にあたるロボットアームが組み上げていくというもの。シンプルな説明は以下のムービーを見るとわかります。
On the origin of (robot) species - YouTube
見えているロボットアームが母親、台の上にある水色の立方体が赤ん坊にあたります。
母は、モーターを内蔵した立方体を組み合わせて、できるだけ遠くへ移動するロボットを生み出そうとしています。
初期世代のロボットがうにうにと動いていますが、あまり遠くへは移動できていないようです。
母ロボットは「どれだけ遠くへ移動できたか」という評価基準を持っていて、次の世代ではより遠くへ移動できるロボットを生み出そうとします。このとき、人間は改良には手を貸さず、ロボット自身が考えて設計を改善していきます。研究では10世代のロボットが生み出され、その10代目は初代に比べて移動距離が2倍に伸びたそうです。
飯田氏によれば、生物学の大きな謎である「知性はどのようにして生まれたのか」を調べるためにロボット工学を使っているとのこと。もともと、ロボット工学の道に入ったのは、「スター・ウォーズ」や「スター・トレック」に出てくるようなロボットが現実にはいなかったという失望からだそうで、今はまだ目標には遠いものの、30年ほどあれば夢見ていたロボット像に届くかもしれないと語っています。
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