取材

世界中から500万人もが集まる聖地なのに妙に観光地ちっくな本家「ルルドの泉」はこんな感じ


長崎県の五島列島には奇跡の水がある「ルルドの泉」が存在しますが、その本家本元はフランス南部の街・ルルドで、「病を治す」と言われる奇跡の水を求めて毎年世界中から500万人もの人が集まってきます。ルルドは「聖地」と言われているわけですが、実際のところ聖地とはどんな場所なのか?と気になったので行ってみたら、神聖な美しさと共に予想外の光景が広がっていました。

高台からルルドの泉がある無原罪の御宿り大聖堂を見るとこんな感じ。物語に出てくるお城のような美しい外観です。


近くに寄ってみるとこんな感じ。


教会の内部も非常に美しい作りになっており、訪れた人は静かに祈りを捧げていました。


ルルドで最も有名なのが水。ルルドは1958年に村の少女ベルナデッタが聖母マリアと遭遇したことで有名な街で、聖母マリアの言葉に従い洞窟の真上に教会を建てたところ、洞窟からわき出る水で病気が治る奇跡が起きたと認められ、以来、水を求めて世界中からさまざまな人が集まっています。ということで、どこで水が得られるのか?と教会の周りをうろうろしていたところ……


何やら行列を発見。


しげしげ見てみると、みんなプラスチックボトルなどを持っています。


教会の壁に沿う形でいくつもの蛇口が設置されており、ここでルルドの水がくみたい放題になっていたわけです。「ルルドの泉」という言葉から想像していたのとは少しイメージが違いましたが、中には大きなプラスチックボトルを5個ほど並べてちょろちょろと水を入れている人もおり、どれほど人々に求められているのかを実感しました。


手持ちのボトルがなかったので、ボトルを求めて教会周辺の街に繰り出してみました……が、ここで目にしたのは「聖地」というイメージとはちょっと違う、お土産屋さんがずらりと並んだ観光地っぽい光景。


立ち並ぶ土産物屋さんの中でも煌々と青い光を放ち目立っていたお店に入ってみました。


お店の中ではずらりと並んだマリア様に見下ろされたり……


日本のお土産屋さんにもありそうなプラスチックケースに入ったロザリオがあったり。


もちろん本格的な高級路線のロザリオもあるのですが、ゴム製だったりよく分からないビーズの装飾がついていたりと、日本ではあまり目にしないようなデザイン・素材のロザリオがこれでもかというほど並んでいました。


もちろん、お水をくむためのボトルもマリア様のデザイン。冠をパカッと取ってお水を入れられます。価格は0.5~0.8ユーロ(約70~110円)でした。


ボトルを購入した後、再び蛇口の周辺にやってきました。なお、行列は夕方から夜にかけてと早朝であれば比較的短いので、大量にボトルを持ってきている人に遭遇しなければ、ササッと水をくむこともできます。


ということで、マリア様2本分のお水をゲット。


教会には本当にさまざまな場所から人が集まっています。


体が不自由な人も多いので、車イスの貸し出しも行われている様子。ずらりと並んだこれは何の行列かというと……


奇跡の水が湧くマサビエルの洞窟に入るための行列でした。


洞窟の上には聖母マリアの像。


洞窟の中では天井からひたひたと滴が落ちているので、その滴を頭や体で受けている人が見られました。


夏のフランスは日照時間が長いので、日が暮れるのが21時過ぎだったりするのですが、徐々に日が落ちてくると教会に光が灯り始めます。


ここからはキャンドルサービス……つまり、ろうそく行列の時間。教会周辺にはこんな感じのスタンドが設置してあり……


細長いろうそくや……


風よけのカバーが置いてあります。代金の1ユーロ(約140円)をコイン投入口に入れたら自由に持って行ってOK。


火をもらう場所もありましたが、この時間になるとほぼ全員が火の灯ったろうそくを持っているので、誰かに「ちょっと火を下さい」とお願いすれば快く分けてもらえます。


ろうそくに火をつけるとこんな感じ。


わらわらと人がろうそくを持って集まってきます。


ものすごい密集度。


この日はあいにく雨だったので、行列の参加者は少なめで、傘を手にしている人もいましたが、天気のよい日であれば幻想的な光景を見ることができます。


なお、晴れの日のろうそく行列の様子はこんな感じです。


列に並ぶ人は傘をさしながらもキャンドルを持ち、神妙な面持ち。


とっぷり夜が暮れると大聖堂はさらに神々しい雰囲気になります。


マリア像の回りには……


お花やキャンドルが手向けられていました。


聖地ルルドはもちろん神聖な場所なのですが、若いグループや片手にしっかりカメラを持った観光客っぽい人も多め。大聖堂の持つ雰囲気は神々しいのですが、周囲の町並みはお土産屋さんが並ぶ日本の観光地と近いものがあり、どこか親しみやすさがありました。ただ、実際に教会で出会った人の中には「子どもの頃からすぐに心臓が痛くなっていたのだけれど、前回ここで水を飲んでからそれがなくなった」と言っている人もおり、期待を込めて頭痛持ちの頭で奇跡の水を飲んだり頭にかけてみましたが、3日後いつも通りに頭痛を起こしたので、奇跡には個人差があるようです。

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in 取材, Posted by darkhorse_log

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