ハードウェア

警察が危険なドライバーを超音波で取り締まるフル装備自転車を採用


アメリカ・テネシー州では自動車が自転車を追い越すときに3フィート(約0.9メートル)以上の距離を空けることが法律で定められています。ただし自動車と自転車の距離は目測しかできなかったため、警察としても「スピードガンなしでスピード違反を取り締まる」と同じような状態でした。そこで正しく車間距離が取れているかを超音波センサーで測定できる特殊な自転車用装備がテネシー州の警察署で採用されました。

Police use ultrasonic device to make sure drivers stay 3 feet from cyclists | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/06/police-use-ultrasonic-device-to-make-sure-drivers-stay-3-feet-from-cyclists/

車間距離を測定する超音波装置を採用したのはテネシー州のチャタヌーガ警察署。自転車のハンドルバーに取り付ける特殊な装置で、警察官が自転車でパトロール中にすれ違う自動車の車間距離が0.9メートル以上かどうかを測定できるようになります。


実際の装置はこんな感じで、自転車のハンドルバーに複数の装置が取り付けられており、左側に超音波距離測定センサー、中央に測定した距離を表示するディスプレイ、右側に自動車を撮影するGoProという構成。3段構えで自転車に接近し過ぎている危険な自動車ドライバーの取り締まりが可能になっています。この装備は1セットにつき1400ドル(約17万円)で市販されているもので、市のレンタル自転車の管理を行っている団体「Outdoor Chattanooga」が警察へ寄付を行ったとのことです。


自動車が自転車への接近・衝突を防ぐこの法律は2007年から施行されていましたが、走行中の自動車と自転車の車間距離を測定する装置がなかったため、実質上、取り締まりができない状態でした。チャタヌーガ警察署のロブ・シモンズ氏によると、ドライバーの中には自転車と十分な距離をとる法律は知っていても、離れるべき距離までは知らない人がほとんどだった、とのこと。

法律に違反すると自動車ドライバーは200ドル(約2万5000円)の罰金が科されますが、当面の罰金については地元の裁判所と連携し何かしらの対策がとられる見込み。チャタヌーガ警察署は取り締まりによって、罰金よりもまずはドライバーに対する法律の周知と、自転車走行の安全確保を優先すると発表しています。


なお、実際に取り締まりが行われているムービーも公開されており、以下から見ることができます。

Codaxus BSMART used by Chattanooga police bikes - YouTube

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
なぜオランダが「自転車大国」なのかという知られざるその理由 - GIGAZINE

海外ツーリングで自転車盗難に遭うも諦めずに奇跡を起こしたチャリダーたち - GIGAZINE

赤信号でも自転車に通行を認める「アイダホストップ」でかえって事故が減るのはなぜか? - GIGAZINE

自転車人口の増加を受けてアメリカで進みつつある法律や道路環境の整備 - GIGAZINE

自転車専用の高速道路「SkyCycle」がロンドンで構想される - GIGAZINE

in ハードウェア,   乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.