「FIFA女子ワールドカップ2015」の勝敗をガチガチの統計的データ分析で予想/なでしこジャパンの行方は？

米大統領選の勝敗を全50州分的中させたり、野球選手の成績を予測するための統計ツールPECOTAを開発した人物として知られる天才データアナリストのネイト・シルバー氏が運営する「FiveThirtyEight」は、統計を使ってあらゆる事象を分析するニュースサイトです。そのFiveThirtyEightが2015年6月6日から7月5日にかけてカナダで開催される「2015 FIFA女子ワールドカップ」のグループリーグ及び、決勝トーナメントの試合の予想を公開していて、データ分析が見事に的中するのかどうか注目を集めています。

2015 Women's World Cup Predictions | FiveThirtyEight
http://projects.fivethirtyeight.com/womens-world-cup/

How Our Women’s World Cup Model Works | FiveThirtyEight
http://fivethirtyeight.com/features/how-our-womens-world-cup-model-works/

FiveThirtyEightは1971年以降に行われた女子サッカーの国際試合約8000試合のデータを集め、ESPNが公表している「WSPI(女子サッカーパワーインデックス)」という指標を使って試合結果を予想。WSPIはナショナルチームによる代表戦から、クラブチームに至るまであらゆる試合の「勝敗」「各チームの得失点」「出場選手」「試合のロケーション」といったデータを集めて作られた統計分析のモデルです。数字としてのデータではなく、例えば、親善試合とワールドカップの試合における重要性の違いをも考慮して作られているとのこと。

FiveThirtyEightが、約8000試合に及ぶデータとWSPIの統計モデルを使って分析し予想したFIFA女子ワールドカップ カナダ2015のグループステージの結果は以下から確認できます。グループリーグは全部で6グループあり、各グループの上位2チームが自動で通過、そして各グループの3位の中で上位4チームが通過、その後に行われる決勝トーナメントに進みます。

◆グループA チーム：カナダ・中国・ニュージーランド・オランダ
グループAの本命は開催国のカナダ。1位で通過する確率が59.2％で、グループ通過の確率は93.2％。カナダ以外で2位になる確率が最も高いのはオランダです。オランダは2位の確率が29.5％、グループリーグ通過の確率が69.0％となっています。

◆グループB チーム：ドイツ・コートジボワール・ノルウェー・タイ
グループBで1位通過すると予想されたのはドイツで、1位になる確率は83.4％。ドイツに次いで2位で通過すると予想されたのはノルウェーで、2位になる確率が69.0％となっています。

◆グループC チーム：日本・スイス・カメルーン・エクアドル
グループCの最有力は1位通過の確率が79.3％で、グループリーグ通過の確率が99.6％である前回チャンピオンの日本。2位はスイス、3位はカメルーンと予想されています。

◆グループD チーム：アメリカ・オーストラリア・スウェーデン・ナイジェリア
混戦が予想されるグループDですが、1位通過およびグループリーグ通過の可能性が最も高いのはアメリカ。96.2％の確率でグループを通過し、1位で通過する確率も64.7％と他を圧倒。それに続くのがスウェーデンとオーストラリアです。

◆グループE チーム：ブラジル・韓国・スペイン・コスタリカ
グループEの1位予想はサッカー王国ブラジル。1位通過の確率は70.0％で、グループリーグ通過の確率は98％。それに続くのが、2位通過率36.8％のスペインですが、韓国も37.3％という高い2位通過率を残しており、しれつな2位争いになりそうです。

◆グループF チーム：フランス・イングランド・コロンビア・メキシコ
グループFの本命は、1位通過の確率が60.2％のフランス。イングランドは1位通過の確率が31.6％で、2位通過の確率が43.7％。フランスとイングランドが1位と2位になり、メキシコとコロンビアで3位の座を争うことになるとのこと。

決勝トーナメントに進む確率が高い国上位16チームは以下の通り。90％以上で決勝トーナメントに進むと予想されているのは、ドイツ、日本、ブラジル、フランス、アメリカ、ノルウェー、カナダです。

準々決勝に進む確率が高い上位3カ国はドイツ、アメリカ、日本。さすがに90％以上で準々決勝に行くと予想されるチームは1つもありませんでした。

準決勝に残るのは、確率だけ見るとアメリカ、ドイツ、日本、カナダが有力。最も準決勝まで進む確率が高いのはアメリカで65％です。

そして決勝の予想はアメリカとドイツになる模様。日本が決勝に進む確率は23％と悪くはないのですが、アメリカとドイツは40％以上の確率で決勝に進むとみられています。

優勝する確率が最も高いのは28％のアメリカでした。ただしドイツが優勝する確率も27％で、アメリカとの差が1％しかありません。日本は10％で3番目に高い確率です。

果たしてFiveThirtyEightの予想通り決勝戦にはアメリカとドイツが進むのか、6月6日から始まるFIFA女子ワールドカップ カナダ2015をデータ分析の視点から見てみるのも面白そうです。

なお、FIFA女子ワールドカップ カナダ2015のグループリーグを勝ち上がった場合、決勝トーナメントは以下の通りになっています。

FiveThirtyEightの算出した確率の通りに勝敗が決まっていくとすれば、なでしこジャパンはグループリーグをC組1位で通過した場合、初戦でグループA・B・Fの3位チーム(中国・コートジボワール・メキシコ)のいずれかと当たり、次にグループEの1位予想となっているブラジルと対戦、そして準決勝では開催国であるカナダと当たることとなっています。優勝候補と目されているのはアメリカとドイツですが、日本を含む3チームが全てグループリーグを1位で通過した場合、日本はアメリカとドイツとは別のブロックに入るので決勝までぶつかる心配がなく、同じブロック側のチームとしては最も高い確率で決勝に進出する、と予測されています。