メモ

我々はどうして我慢して広告を見なければいけないのか?

by Alex

落書きが1億円で落札される覆面アーティストBanksyは、パレスチナのガザ地区で落書きを行ったり、路上で自身の絵だということを隠して1点6000円で作品を販売したりとさまざまな試みを行っています。そのBanksyが「どうして企業が公共の場に表示させるメッセージをコントロールして、なぜ自分がそれを我慢しなければいけないのか?」というメッセージを投げかけています。

赤い背景にビンが描かれているようなポスターは、一見するとコカ・コーラの広告のようにも見えますが、ビンは白い文字で埋めつくされています。これはBanksyのメッセージをグラフィックデザイナーのKarina Nurdinovaさんがポスターの形にしたもの。


このメッセージを日本語に訳したものを、脚本家である役者の近藤司さんが公開しています。

Tsukasa Kondo - タイムラインの写真 | Facebook


「あなたはいつも馬鹿にされている。毎日。あいつらはあなたの生活に首を突っ込んであなたを卑下して、それで消えてしまう。

彼らは高層ビルからニタニタと君たちを見下ろしてちっぽけな存在になった気持ちにさせてくる。あなたは魅力がなくて、あなたのいない場所で皆が楽しんでいる、と頭にすりこんでくる。

あいつらはテレビを使って君の彼女を不安にさせて、自信をなくさせる。最新のテクノロジーを使って君たちをいじめている。あいつらっていうのは広告を作るやつらだ。


そして奴らはあなたのことを笑っている。でもあなたは彼らに触れることはできない。商標、知的財産、著作権法っていうのは、あいつらがどこだろうと何だろうとおとがめ無く言えるってことを意味している。

そんなルール糞くらえだ。

公共の場で表示されていて、あなたがどうしても目に入ってしまう広告というのは、あなたの物である。あなたが取ってしまっても、アレンジしてしまっても、利用してしまってもいいのである。その広告をどんな風に使ってもいいのである。

それに対して許可を求めるなんて、あなたの頭に投げつけられた石を「これ使ってもいいですか?」と聞くようなものだ。あなたたちは広告を出している企業たちに対して、何の借りもない。借りなんてゼロ以下だ。行儀良く親切にしてあげる必要なんて特にない。企業があなたたちに借りがあるんだ。

あいつらは、君たち一般市民より企業が優先されるように世界を作りかえてきたんだ。あいつらは君たちの許可を求めたりなんて一度もしなかっただろ。だから企業の許可を求めるなんてこと絶対にしなくていいんだ。

翻訳を行った近藤さんは「『皆の場所』であるはずの公共の場所にどんなメッセージや宣伝が流されるか、それは皆ではなくて企業がコントロールしているという現状。それについて批判的な気付きを与えてくれる」言葉であると語っています。

このメッセージは「Cut It Out」というBanksyの著書の中で述べられたもたものですが、グラフィックデザイナーのSean Tejaratchi氏によると、メッセージはTejaratchi氏の著書「Crap Hound」から引用されている部分があるとのこと。Tejaratchi氏は引用に対して否定的な態度を取っておらず、メッセージはBanksyがSean Tejaratchi氏の本にインスピレーションを受けたものとなっていたわけですが、普段、何気なく見ている街の広告について非常に重要なことを気づかせてくれるものとなっています。

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in メモ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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