Twitterのユーザー数の増加率に大ブレーキ、収益は改善しているのか？

By Ilse

Twitterが2014年第4四半期(10月から12月)の決算を発表し、売上高は前年同期比約2倍の4億7900万ドル(約562億円)に大幅増と市場の予想を上回る内容でした。ただしユーザー数の伸びが大幅に鈍化したことも明らかになっています。

Twitter Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2014 Results (NYSE:TWTR)
https://investor.twitterinc.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=894844

Twitter Reaches Deal to Show Tweets in Google Search Results - Bloomberg Business
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-02-05/twitter-said-to-reach-deal-for-tweets-in-google-search-results

Promote content on and off Twitter - now syndicating Promoted Tweets | Twitter Blogs
https://blog.twitter.com/2015/promote-content-on-and-off-twitter-now-syndicating-promoted-tweets

Twitterの2014年第4四半期決算の内容は、売上高が前年同期比97％アップの4億7900万ドル(約562億円)、非GAAPでの1株収益は0.12ドル(約14円)といずれも市場予測を上回る内容となりました。また、最終損益も1億2500万ドル(約147億円)の赤字と前年同期が5億1100万ドル(約600億円)であったことと比べても収益構造が大幅に改善されたことが明らかで、株式市場も即座に反応して時間外取引で株価が上昇しています。

依然として最終黒字の達成には至っていないTwitterですが、収益構造の改善のために、あの手この手と新しいサービスを矢継ぎ早に打ち出しています。Bloombergによると、Googleは2015年前半を目標に「ツイートのリアルタイム検索」機能のサービス提供を計画中とのこと。Googleは2009年にTwitterと提携してツイートのリアルタイム検索サービスを提供したことがありますが、2011年7月に契約満了によってサービスを終了させたという経緯があります。約4年ぶりにツイートのリアルタイム検索が復活するとなると、TwitterはGoogleという収益源を手に入れることになりそうです。

また広告ツイート「Promoted Tweet」をTwitterのタイムライン上だけでなくウェブサイト上にも表示するサービスを開始すると発表。これにより広告主は、例えばキャンペーン情報をツイートで告知するだけでなく、ウェブ広告としても使うことができ、さまざまなウェブ媒体でのプロモーションが可能になります。すでにFlipboardだけでなくYahoo！JAPANにもPromoted Tweetが登場することが発表されています。

視聴率に代わる新たな指標として開発されていたTwitter TV指標が新たに「Twitter TVエコー」として正式にサービス開始したことに加えて、Twitterはテレビ放送とのタッグを強化。テレビ番組を視聴中のユーザーのニーズに合わせたターゲティング広告を行う「テレビターゲティング」を正式にスタートさせると発表しています。テレビターゲティングについては、2014年のFIFAワールドカップにあわせて新型車の予告CMを行ったメルセデスベンツの例があり、ターゲティング広告だけでなく興味関心ターゲティングへ活用できると考えられているとのこと。テレビ放送という巨大なマーケットへの進出にTwitterは本腰を入れていくようです。

しかし、今回の決算報告からはアクティブユーザーの月平均数(MAU)は2億8800万人であり、この数字は前年同期の2億8400万人からわずかに2％増にとどまったことも明らかになっており、Twitterの成長力に暗雲が立ちこめているという見解も一部にはあります。収益構造の改善にいそしむTwitterが、サービス内容をより魅力的なものにしてさらに多くのユーザーを獲得して念願の黒字化を果たすのか、要注目です。