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机の上のスマートフォンを自動検知して充電するランプをMicrosoftが開発中

By David

スマートフォンを検知し、端末のソーラーパネルに直接光を照射して自動で充電が行える、というスマートランプをMicrosoftが開発していることが明らかになりました。既にプロトタイプは作成されており、開発はMicrosoftの関連研究機関であるマイクロソフトリサーチが行っていようです。

AutoCharge:Automatically Charge Smartphones Using a Light Beam -TR.pdf
(PDFファイル)http://research.microsoft.com/pubs/238337/AutoCharge-TR.pdf


Microsoft designs a lamp that could charge your smartphone | ZDNet
http://www.zdnet.com/article/microsoft-designs-a-lamp-that-could-charge-your-smartphone/


Microsoftが開発中のスマートランプシステムの呼称は「AutoCharge」。AutoChargeはライトの他にカメラも内蔵し、このカメラで周囲のスマートフォンを検知し、光を照射します。マイクロソフトリサーチが公開しているAutoChargeに関する研究結果によれば、「机に設置して、机の上に置かれたスマートフォンを充電」「天井に取り付け、室内のスマートフォンを充電」「箱に取り付けて、箱の中に入れたスマートフォンを充電」といった複数の使い方が考えられています。


AutoChargeの試作機では、スマートフォンに取り付けられたソーラーパネルにはLEDライトがつけられており、端末の充電が必要な際にはLEDが光るようになっています。AutoChargeのカメラがこの光を検知すると、充電のために端末に光が照射されるというわけ。なお、試作機の場合、カメラでLEDライトの光を検知するのに最大で3秒かかったそうです。

試作機はこんな感じの見た目。


既存のスマートフォンのほとんどはソーラーパネルを搭載していません。しかし、マクロソフトリサーチは「Wysips」のような透明フィルム型のソーラーパネルをディスプレイ上や端末の背面に貼り付けることで、さまざまな端末がAutoCharge式の充電に対応できる、としています。

室内のさまざまな場所に置かれたスマートフォンに正確に光を照射するため、AutoChargeには複数のカメラが搭載されることになります。いつでもどこでも自動でランプが光ってスマートフォンを充電してしまうとユーザーは邪魔に感じるかもしれませんが、AutoChargeは赤外線を照射することで、人の目には見えない不可視光線で端末を充電することも可能。さらに、カメラが動く物体を検知した際には50ミリ秒で照射を遮断することもできるので、安心して使用することができるとのこと。

AutoChargeが複数の物体の中からスマートフォンに近い形のものを検出している様子。


AutoChargeの試作機ではUltraFire製のライトが光源として使用されました。室内で使用されるライトには安全上の問題はない、とマイクロソフトリサーチは記しています。「これらのライトは太陽光よりも安全です。なぜなら、ライトの光は太陽光よりも熱を引き起こず、さらに光のエネルギーの大部分は太陽電池で電気に変換されるのでほとんど熱が発生しないから」とのこと。なお、AutoChargeに使用されたハンドライトの「UV照度」は約110mW/cm^2で、これは分光分布AM1.5の放射照度よりもわずかに強い程度のものだそうです。

なお、マイクロソフトリサーチは、AutoChargeで重要になるのは「ユーザーが机の上にスマートフォンを置く」というありふれた行為を、特別な行動なしで自動でスマートフォンの充電につなげてしまうこと、と述べています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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