10時間近くかけて煮込むコンソメやビーフシチューを作る様子の一部始終をロイヤルホストのセントラルキッチンで取材してきた
ロイヤルホストはファミリーレストランというよりもホテルのレストランのような洋食メニューを提供するお店で、根強い支持を得ているチェーン店です。今回福岡に出張する用事があり、福岡にあるセントラルキッチンと本社の様子を一部公開してくれるとのことで訪ねてみました。
ファミリーレストラン ロイヤルホスト - Royal Host -
http://www.royalhost.jp/index.php
ロイヤルグループの本社に到着。
本社の目の前はパンやスイートポテトを作る工場になっています。
工場内は衛生管理が徹底されており、所定の服を着る必要があります。
今回は服の上から着るタイプの作業着を着て施設内に入ります。
見学用の服は新品で、ほこりなどは付いていないはずですが、全身を1分間かけてローラーがけしなくては工場内に入ることができません。
ローラーかけを行った後は、1分間の手洗いが必要で……
さらに、エアシャワーを浴びて工場内に入ります。
工場内に入ると、スイートポテトの甘い香りが広がり、数え切れないほどのスイートポテトがレーンの上を流れていました。
スイートポテトの原材料は、訪れた夕方頃には混ぜ合わせを終えているようで、成形して焼き、袋詰めや箱詰めをする作業を行っていました。
スイートポテト作りは、さつまいもやクリームなどを混ぜ合わせたものを機械に入れるところからスタート。さつまいもは鹿児島県長島町の長島で取れる「長島紅美人」という品種のみを使っています。
まず、楕円形の焼かれていないスイートポテトがレーンを流れ……
流れた原材料を機械がプレス。
プレスすると、スイートポテトの形になりました。
形を整えた焼く前のスイートポテトは、人の手で一つずつ紙に貼られています。
数がそろったらレーンに流し……
機械が卵黄をかけます。
卵黄のかけ具合にムラがでてしまうことがあるので、さらに作業員の人がはけで卵黄を塗り直しています。
巨大なオーブンを通り、焼き上がるとこんな感じ。
レーンを流れるスイートポテトの様子は以下のムービーで確認できます。
ロイヤルホストのスイートポテトがレーンを流れる様子 - YouTube
どんどんとスイートポテトがレーンを流れていきます。
焼き加減には基準があって、焼けすぎたものは売れないというルールがあり、チェック後に数個廃棄されていました。
続いてはパン・スイートポテトの工場の前にある本社とセントラルキッチンへ。
受付はホテルのロビーのような雰囲気。
しばらく歩くと、ロイヤルホストの歴史を振り返るコーナーが設置されています。
ロイヤルホストは、1946年に始まった「昭興電業社」という会社が元になっており、機内食などを製造・販売するメーカーとして発展した後に、レストラン事業に乗り出したという歴史があります。
「レストラン花の木」というロイヤルホストの前身のお店には、1954年にマリリン・モンローとジョー・ディマジオが新婚旅行で訪れ、オニオングラタンスープを気に入り3日間続けてお店に来たという逸話があります。
敷地内にはロイヤルホストのメニューを出す「ロイヤルホストカフェテリア」という社食がありました。
しばらく歩き、セントラルキッチンへ。再度見学用の作業着を着て、手洗いを行い工場内に潜入。
夕方なのでセントラルキッチンはあまり稼働していないと思いきや、多くの人がいました。ビーフシチューやコンソメスープ作りは一日がかりの作業のため、夜も稼働しているようです。
ボードには作業員さんのスケジュールが書かれています。
工場内には大きな釜が用意されており、これはビーフシチューやコンソメスープを作るためのもの。
中はかなり深くなっていました。
オニオングラタンスープを作る職人さんは、この道16年のベテランで、入社当時からコンソメスープを作る名人中の名人。
オニオングラタンスープに使うコンソメスープの材料はたまねぎ・にんじん・ガーリック・セロリといった香味野菜
浮いたアクを固めるための卵白。
白コショウなどのスパイスで、これらを釜に入れかき混ぜます。
この状態ではまだ釜を温めず、原材料を混ぜるのみ。
野菜などが混ざったら、刻んだ牛肉と……
トマトピューレを投入。
さらに混ぜ合わせたところにチキンブイヨンを投入します。
一度にチキンブイヨンを入れずに、少しずつブイヨンを入れ、釜の上の方までスープを入れたら……
熱を入れます。熱源は火ではなく、蒸気を使っているとのことでした。
徐々にスープにアクが出てきました。
コンソメを作る近くの釜では、ビーフシチューを煮込んでいる最中でした。
温度が高く、湯気がたっており鍋の中でビーフシチューを煮込んでいる様子は見ることができませんでしたが、煮込み時間は10時間以上とのことで見学時間内に完成まで見届けることはできませんでした。
釜の近くには、ビーフシチューに入れる素揚げした大きな牛肉の塊が用意されています。
これが牛肉を揚げる機械。かなり巨大です。
ビーフシチューを作る様子を見学し終わった後、コンソメスープを煮込む鍋に戻ると、大量のアクが浮いており、固まっています。
アクは全て職人さんがおたまですくって捨てています。釜が大きいので、アクの量も尋常ではありません。
油も浮いてしまうので、こちらもどんどんすくって捨てていました。
ファミリーレストランのセントラルキッチンと聞くと、自動化されたイメージが強いものの、多くの作業は人の手を介して行われています。ハンバーグなどはお店で作り、店舗で1個ずつ仕込むのが時間的に難しいものに関してはセントラルキッチンで仕込んでいるとのことです。この工場では全国のロイヤルホストだけでなく、一部の企業向けの食品も委託を受けて作っています。
なお、ロイヤルグループのレストラン1号店「花の木」は大濠公園に2015年の2月に再開業予定となっています。セントラルキッチン内は一般公開はしていないものの、ロイヤルホストのファンの人ならレストラン花の木には一度行ってもいいかもしれません。
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