安宿のコストパフォーマンスを比較、バンコクで快適に過ごすにはいくら必要なのか?

ドミトリーか個室か、トイレ・シャワーは共同か室内か、扇風機かエアコンか、冷蔵庫までついてくるのかどうか……。お金を積めば快適さは比例しますが、大抵の人は無駄遣いもできません。海外だと幾ら出せば、どのような宿に泊まれるのでしょうか。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。これまで、たくさんの場所に泊まってきたからこそ、安宿の宿泊料金と質にはこだわりがあります。だからこそ、今年9月に滞在したバンコクで、いろいろな宿に泊まって、コストパフォーマンスについて考えてみました。
「微笑みの国」とも呼ばれるタイにはたくさんの観光客が訪れます。バンコクへのフライトで自分の隣に座ったオランダからのカップルも「タイマッサージが楽しみで、毎年訪れているの」と話してくれたタイマニア。そういった旅人のために、バンコクにはドミトリーを擁する多数のホステルが存在していました。ドミトリーは、複数のベッドが置かれた部屋を他人と一緒に使うので、比較的安く泊まれます。1泊は300バーツ~(約1000円)というのが相場。ただ、探してみれば同じ料金で個室もあるので、コストパフォーマンス的には微妙でした。
◆Asoke Montri Hostel(アソーク モントリー ホステル)
住所:16/19 Soi Sukhumvit 19, Sukhumvit Rd., Klongtoey Nua, Wattana,, Sukhumvit, Bangkok
料金:ドミトリー 430バーツ(約1435円)
予定外に立ち寄ったアソーク(Asok)駅でみつけたホステルなのですが、6人ベッドで430バーツ(約1435円)は高額。

ドミトリーでは貴重品をしまっておくためのロッカーの有無を確認したいところ。

海外ではトイレとシャワーが一緒のことが多いのですが、ここまで近いとシャワーの後のトイレは水浸し。

ホステルは住宅街の一角に存在。

少し寂しくもあった共有スペース。

◆VX The Fifty Hostel(VX ザ フィフティ ホステル)
住所:285/2-4 Sukhumvit Soi 50, Klongtoey, Sukhumvit, Bangkok, Thailand 10110
料金:8人ベッド 239バーツ(約800円)
同じ料金なら個室にも泊まれるので、ドミトリーに1泊300バーツ(約1000円)以上払うのはコストパフォーマンス的にどうかと思いました。そうした旅人の心理も知っているのか、平均より安い1泊239バーツ(約800円)でドミトリーに泊まれたのが「VX The Fifty Hostel」です。
宿泊料金もそうですが、共有スペースにボードゲームやギターを置いてあったり、コーヒーや紅茶もフリーで飲むことができたりと、旅人視点の細かいサービスが嬉しいホステル。雨が多い気候もあってか、ドアの前にビニール傘が置かれていて、無料で貸し出していたりもします。Wi-Fiは共有ルームでも室内でも繋がり、快適です。
2段ベッドが4つ入っているドミトリーの部屋。エアコンが効いています。室内にはバックパックが入るくらいの大きなロッカーもありました。

ゴロゴロしたい時はソファーに、パソコンで作業する時はテーブルにと、1日の大半を過ごしていた共有スペース。

別角度から見た共有スペース。こちらは冷房ではなく、扇風機が活躍しています。

明るいキッチン&ダイニング。

中庭。

階段ですら、オシャレに飾られていました。

いつも清潔に保たれていたトイレとシャワー。電気式ですが、お湯が出ます。

一つのビル全部がホステルで、できてから日が浅いのか、内部も綺麗でした。BTSのオンヌット駅から徒歩10分程度。高架鉄道のBTSを使うとバンコク中心の繁華街までスムーズに移動できます。駅の近くには大型スーパーが2軒あり。宿から近くのコンビニまでは徒歩30秒。
入口はこちら。

宿の人が作ったタイ語で書かれた目的地ペーパーは、タクシーや道を尋ねる時に重宝しそうでした。

◆@Pranakorn Inn(アット プラナコーン イン)
住所:44-52, Soi 2, Samsen Road, Banglumpoo, Phranakorn, Bangkok, 10200
料金:個室 300バーツ(約1000円)
ヨーロッパやアメリカだと予算の都合から必然とドミトリーとなるのですが、東南アジアだったら個室も選べます。ドミトリーだと気を遣うことも多いのですが、シングルだったら自分のペースでくつろぐことが可能。バンコクではやはり、バックパッカーが集まるカオサンロードに安宿が集まっていました。ただし、自分が見つけた場所は繁華街から5分ほど歩かないといけません。
たくさんの旅人が集うカオサンロード。

カオサン通りの西端まで歩くと「Chakrabongse road」という南北を結ぶ道路にぶつかるので、そこを北に進んで小さな川を越えた辺り。ここで個室、広い室内、Wi-Fi、エアコン、机、トイレ・シャワーが揃った理想の形で「@Pranakorn Inn」という安宿が見つかりました。トイレ・シャワー共同で250バーツ(約833円)の部屋は満室だったのですが「1日の予算が300バーツ以内なんだけど」と相談すると、トイレ・シャワー付きの部屋を、ディスカウントしてくれることに。
寂しい室内ですが、エアコンも使える優良物件。

十分すぎる広い部屋。窓から光が入ってくるので、室内も明るいです。

洗面台の配管から水漏れするのは安宿クオリティ。

ここは水シャワーしか出ないのですが、蒸し暑くなる9月の滞在だったので問題なし。

宿の入口。近くにカフェがあり、そこで受付をしていると思います。

歩くと廊下がきしむ古い建物ですが、清潔に保たれているので雰囲気は悪くありません。

◆PAILIN GUEST HOUSE(パイリン ゲストハウス)
住所:170/1 Lamphu Rd, Sarmphraya, Phranakorn, Bangkok, 10200
料金:個室 200バーツ(約670円)
あまり賑わっている様子のなかった「@Pranakorn Inn」ですが、次の宿泊代金を払おうとしたところで「今日は予約でいっぱいだから」とまさかの連泊拒否。手際の悪さに落ち込むも、仕方がないので別の宿を探しました。通りを挟んだ反対側を少し進んだ付近で見つけたのが1泊200バーツの「PAILIN GUEST HOUSE」という安宿。トイレ・シャワーは共同ですが、電気式でお湯が出ます。日本にいても違和感のないような、陽気なおばちゃんが切り盛りしていました。
暑さは扇風機でしのげるし、Wi-Fiも繋がるので、何泊かしました。

南国のゲストハウスにありがちな明るい色使いの建物。

うだるような暑さを受け流すには、このように緩い空気が溢れるロビーが必要なのです。

手作り感があふれるアットホームな安宿でした。

◆Centaur Inn Hotel(セントール イン ホテル)
住所:448-448/1 Soi charoeng Krung 47,Surawongse Road,Sripraya, Bangrak, Bangkok, Thailand
料金:個室 300バーツ(約1000円)
最初にインターネットで予約した宿も、個室で300バーツでした。一軒目の宿だったので、妥協を重ねて数日滞在しています。ただ、上に挙げたカオサンの2軒の安宿に比べるとクオリティに難あり。インド系の方々が経営されている宿でした。
我慢できる範囲でしたが、壁が汚かったりするのは残念。

悪くはないが良くもない典型的な安宿の部屋。

机があったのでパソコン作業には便利でした。

部屋にトイレ・シャワーがあるのは嬉しいのですが、どうしてもカビが目立ちます。

建物自体も、くたびれた感じでした。

◆NASA Vegas Hotel(ナサ ベガス ホテル)
住所:44 Sukhumvit 71-Ramkhamhaeng Road, Suanluang (Airport Link - Ramkhamhaeng Station)
料金:個室 1718円
1000円前後でシングルの個室に泊まれますが、それ以上なら設備はどうなるのかが気になり、オンラインホテル予約サイトのアゴダを使って、宿を予約してみました。「プロモーション」とアピールされていた「Super Deluxe」の部屋を1718円で予約。チェックイン時に1000バーツ(約3300円)のデポジットが必要で、何もしなければ全額返金されます。Wi-Fiは別途有料で高額。
ひと通りは揃っているのですが、古くて哀愁漂うお部屋でした。暖色系の光がレトロな雰囲気に拍車をかけます。

日本の古いテレビドラマとかに出てきそうな色褪せたソファー。

鏡台スペース。

パナソニック製のエアコン。

少し年代を感じたナショナル製の冷蔵庫。

これまでの年月を隠すことができないトイレ・シャワー。

バスタブもありました。

ひと通りアメニティグッズも揃っています。

トイレットペーパーは粋のある演出。

タイの玄関口であるスワンナプーム国際空港と、バンコク中心街を結ぶエアポート・レール・リンクのラームカムヘーン駅に隣接。これまでに泊まったホテルでも最大の建物を誇る立派なホテルだったりします。

大きな外観に比例した綺羅びやかなロビー。

旧ソ連圏を彷彿させる飾り気のないフロア。そして、やはり使用感を感じるフロアでした。

◆At Mind Executive Suites(アット マインド エグゼクティブ スイーツ)
住所:8, Sukhumvit soi 85, Bangchak, Phrakhanong, Bangkok, Thailand
料金:個室 3677円
最後に、最低限の料金で最高のパフォーマンスを探し求めて、いつもは絶対泊まらない宿をチョイス。こちらもアゴダで予約しました。ドバイで素敵なホテルに挑戦して以来、最近はいろんな宿に興味津々。バンコクの「At Mind Executive Suites」なら、ドバイの半分の料金で同じクオリティを体験できました。
ドアを開けて部屋に入ると、リビングと寝室が別々ということに戸惑います。液晶テレビもエアコンも2つずつ存在。冷蔵庫を含めた家電も最先端に近いものでした。もちろんWi-Fiも自由に使えます。部屋も隅の隅まで清掃されていて埃一つ落ちていません。加えて、指でこするとキュキュっと音がなりそうなくらいに反射する床。金額に比例して、レベルが高い宿でした。
寝室もこのクオリティ。

手足を十分に伸ばせる広いベッドは快適そのもの。いつもの安宿なら半分のサイズ。

寝室とは別に、リビングルームもあります。

ソファーとテーブル。

リビングに置いてある薄型液晶テレビ。

食器が並べられてあるテーブル。

電気ポットにコーヒー、紅茶。各種フリーサービス。

時代についてきている冷蔵庫。

女性には嬉しい鏡台。

バス・トイレも、綺麗で清潔です。

バスタブはなかったのですが、シャワーのデザインは独創的。

備え付けのガウンを羽織ると、少しセレブな気持ちに。

ドアはキーロックタイプ。

「At Mind Executive Suites」もBTSのオンヌット駅から徒歩5分程度。辺りは大きな分譲マンションが立ち並ぶ一角で、タイの日常化している屋台や露店の喧騒からは遠い、落ち着いて静かな場所に位置してました。
大きな建物のホテル

エントランス。

明るくて開放的なロビー。

ガラス張りのフロアも明るくて、気持ちまで晴れやかに。

最上階にはトレーニングジムを完備。

サウナの利用も可能となっています。

そして屋上にはプールもあるので、泳ぐこともできました。

バンコクで安宿を突き詰めていけば、1000円前後で個室、2000円前後でエアコン・冷蔵庫完備。3000円を越えたら申し分のない部屋、という結論に。自分は1人でしか動いてないのですが、誰かと一緒ならコストパフォーマンスも変わってくるでしょう。予約したサイトを見るなら「NASA Vegas Hotel」「At Mind Executive Suites」は2人まで宿泊できそうです。
バンコクの安宿を探す時に、この記事が少しでも役に立てばと思います。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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