新しくなったThermodoアプリの新機能「パーソナルヒートマップ」を使ってみた
スマートフォンやタブレットのイヤホン端子に接続するだけで周囲の気温を測定できるようになる機器が「Thermodo」です。ThermodoにはiOS版とAndroid版の専用アプリが用意されており、2014年4月のバージョンアップではiOS版アプリに記録の蓄積が可能なヒストリー機能が追加されたばかりなのですが、そのわずか1か月後のバージョンアップではそのヒストリー機能を拡張して過去の履歴をマップ上で表示することでエリアごとの温度をグラフィカルに表示する「パーソナルヒートマップ」の機能が追加されたということだったので、さっそく試してみることにしました。
Introducing Heat Map for Thermodo!
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実際にパーソナルヒートマップを表示させてみた画面はこんな感じ。気温を測定した地点が丸いアイコンで示されており、色が赤いほど気温が高かったことを表しています。アイコンの中に数字が表示されているのは、その近辺で取得したデータがまとめて表示されているため。
このヒートマップはiPhoneを片手に自分で採ったデータから作成したものなのですが、そのために行ったことと言えば、iPhoneにThermodoを装着した状態で街中を移動しながら定期的に気温を測定しただけ。それだけで自分だけのパーソナルなヒートマップを作成できるようになっています。
データを採取するためには、まずはApp Storeからアプリをインストールして起動します。Thermodo本体は公式ショップにて黒/白色モデルが29.99ドル(約3000円)、アルミシルバーのプレミアム版が44.99ドル(約4600円)で購入が可能。さらに、記事作成時点ではThermodoを2個買うと全世界で送料が無料になるキャンペーンが実施されています。
ThermodoはiPhone/iPadのマイク入力を活用して気温測定を可能にするデバイスです。また、パーソナルヒートマップ作成には位置情報が必要になってくるため、「マイクへのアクセス」と「現在の位置情報」の利用を許可することが必要です。
Thermodoはさっそく測定を開始し、数秒で現在の気温が表示されました。計測の履歴とヒートマップを見るためには、ホーム画面右上のアイコンをタップ。
現在までの計測履歴が表示されました。画面右上にはスライド式の切り替えボタンが表示されており、履歴のリスト表示とヒートマップの切り替えを行うことができます。
切り替えボタンを右側に動かすとパーソナルヒートマップの画面に切り替わります。日本全土のマップが表示され、計測データのある地点にアイコンが表示されました。
このアイコンはもちろん自分で計測したデータの位置と温度を示すもの。マップは指でピンチイン/アウトして自由に縮尺を変更することも可能です。
計測方法がわかったところで、さっそく街へ出てあちこちの気温を測ってみることにしました。新大阪駅前ロータリーの気温は25.9度。
新大阪駅から南下し、大阪市中央公会堂(旧称:中之島公会堂)の前で測った気温は25.4度でした。
さらに南へ。行く先の信号が全て青になった御堂筋の南端近く、難波周辺の気温は25.5度でした。なお、車内での計測となっていますが、エアコンはオフにして窓を全開にし、外気と同一の環境での測定となっています。
そして最後は「かに道楽」の巨大なカニの像の前で測定。25.4度でした。
そんな様子を収めたヒートマップがコレ。ほぼ全地点で同じような色が表示されていますが、数か所あるオレンジ色の濃いポイントは、他に比べてやや気温が高い地点であることを示しています。
各ポイントの詳細な情報を確認することもできます。アイコンをタップすると……
計測時のデータがグラフとともに表示されました。気温計測は一定の時間をかけて行われ、その平均値と最大値、最小値が記録されるようになっています。
また、このデータはメールで送信したり、Twitterに投稿することもできます。
ThermodoはiPad版もリリースされているので実際に使ってみました。
計測データはiCloud上で管理されているため、同一アカウントの端末であれば測定結果を共有することが可能となっていました。この画面はiPadでアプリを立ち上げてしばらくした段階のもの。一度も計測していないにもかかわらず、iPhoneで計測したデータが引き継がれています。
ヒートマップを拡大表示させたらこんな感じ。ヒートマップは全画面表示されずに画面を左右分割して表示するようになっていました。画面の絶対的な大きさがあるのでiPhoneに比べると見やすくなっていますが、全画面での表示が可能になればさらに確認しやすくなると感じました。
しばらくThermodoを挿したままあちこちで計測してみたのですが、なかなか普段は見ることができないデータがわかりやすい形で「見える化」されるという興味深い機能となっていました。しかし、計測された各データは同一の時刻で採取されたものではないために、厳密に各地点の値を比較した「ヒートマップ」と呼ぶには少し違和感があると感じる一面も。
さらに、Thermodoはスマートフォンを活用した簡易的な計測となるために、計測環境が一定しないのも弱点の1つ。計測結果からはデータを採った環境を振り返ることができず、さらに空調の効いたオフィスや交通の場になるとデータの意味が失われてしまうことは避けられないと感じました。
現状では個人レベルでデータを蓄積するにとどまっているThermodoのヒートマップ機能ですが、今後のクラウド環境を活用したビッグデータ解析につながって行くということになるのであればそれらの弱点がカバーされ、個人レベルでさまざまな環境のデータを採れるというThermodoの本来の能力が発揮されることになるのかも知れません。
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