スマホに装着するだけで皮膚病検査できる、3Dプリンタで作成可能なレンズの開発が進行中


アメリカのヒューストン大学の研究チームは、スマートフォンのレンズを使って病気を診断可能なシステムを開発中ですが、オーストラリアのキャンベラにあるオーストラリア国立大学の研究チームは臨床用の顕微鏡に近い精度で皮膚病を検知できるNexus 4対応のレンズを開発しました。開発されたレンズは、3Dプリンタで作成可能になっています。

3D-Printed Lens Turns Smartphones Into a £1 Microscope to Detect Diseases
http://www.ibtimes.co.uk/3d-printed-lens-turns-smartphones-into-1-microscope-detect-diseases-1446204

従来の顕微鏡用レンズは、ガラスを研磨するか、溶けたガラスを型に注ぎ込んで冷やすという方法で作られていました。一方、オーストラリア国立大学の研究チームがレンズを開発するのに採用した方法は、顕微鏡用のガラス製スライドにPDMS(ジメチルポリシロキサン)と呼ばれるジェル状のシリコンポリマーを1滴たらして70℃のオーブンで加熱するというもの。オーブンでの加熱が終わったら、加熱されて固まったシリコンポリマーの上にもう1滴同じものを追加して、スライドをひっくり返します。

ひっくり返されたことによって、シリコンポリマーは重力の力で下向きに突起。この突起の形状は顕微鏡向けのレンズと同じようなカーブを描きます。そして、もう一度加熱して固めたらレンズの完成です。研究チームは、この方法で4ミクロンまで確認可能な顕微鏡のレンズを開発。開発されたレンズは3Dプリンタで複製可能で、作成にかかるコストはわずか1ポンド(約170円)。研究開発チームの一人であるスティーブ・リーさんは「我々が開発中のレンズは、作成にかかる費用が少なく作成方法も簡単です。レンズの製作技術を大きく発展させるような方法が見つかったことに、とても興奮しています」と話していました。

By Jeff Keyzer

研究チームが作成したレンズと2つのLEDライトをNexus 4のカメラに装着させたところ、表皮や真皮の浅いところの状態を詳細に観察するための機器「ダーモスコープ」のように皮膚病を検知することに成功。下記の画像はNexus 4に実際のレンズを取り付けたところ。


研究チームが開発したレンズは医療用に用いられる高額なレンズほど性能が高いものではありませんが、開発コストの低いので、顕微鏡が趣味の人や、発展途上国で診察を行なう際に使用できるとのこと。記事執筆現在、大量生産中というレンズは、2014年後半頃に市場に投入される見込みです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log