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なぜ価格交渉において最初に提案すると有利になるのか?

By @Doug88888

最初の提示された条件や数字が無意識下に刷り込まれ、その後の意志決定に影響を与えることを心理学の分野では「アンカリング効果」と呼び、マーケティングの分野では以前から注目されています。一般的に交渉事では、先に口出しした側が足元を見られて不利になるという考えがありますが、「なぜ交渉において真っ先に提案するべきなのか?」ということがInc.comにまとめられています。

Here's Why You Should Always Make The First Offer In A Negotiation | Inc.com
http://www.inc.com/drake-baer/why-you-should-always-make-first-offer-in-negotiation.html


売買取引や商談などの交渉では、「相手に先に提案させるべき」と考えられています。しかし、先だって金額を提案することで、その後の交渉における範囲を限定することができ、優位を保つことができる、とInc.comは話しています。

ノースウェスタン大学経営学部で教授を務めるリー・トンプソン氏は、「大半の人は『最初に提案するべきではない』という強い確信を持っていますが、我々の研究および多くの確証済みの研究を照らし合わせると、その認識は正反対であることを示します。交渉においては男女に関係なく先手を打つべきなのです」と話しています。

販売業界では、割引シールを貼る時に定価が見えるように配置しますが、これはアンカリング効果を利用したもの。「元の値段」から安くなったということがわかるため、顧客に対して定価にアンカー(いかり)を置くことができ、単に割引後価格を提示するより購買意欲を刺激できる良くある手法です。「アンカーは交渉のテーブルにも置くことができます」と話すトンプソン教授は、ばかげた提案であっても先だって提案することで、無意識にその条件や数値を刷り込ませることができると主張します。また、複数の交渉相手に対しても、先に提案することで相手の返答から交渉のどの部分に価値を置いているかを判断しやすくなる効果もあるとのこと。

By Consumerist Dot Com

コロンビア大学ビジネススクールアダム・ガリンスキー教授は「強気な額を最初に提示することで、相手に対して対象の価値をポジティブに考えさせる効果がありますが、低い価格を提示すると『製品にさほど価値がないのではないか?』とネガティブに考えられてしまいます」と話しています。一方でグリンスキー教授は「最初の提案はほどよく強気である必要がありますが、度が過ぎると逆効果です」ということも警告。多くの交渉相手は強気な提案は相手の機嫌を損ねたり、怒らせたりすると考えていますが、グリンスキー教授の研究によると、交渉における心配は典型的に誇張される傾向にあるという結果が出ています。

By Claudio Gennari

ハーバード大学法学大学院の交渉におけるプログラムには、「どのように最初の提案を行うのか?」という方法が記載されています。ある資格を持っている求職者は、「私は年間で8万5000ドル(約863万円)~9万5000(約965万円)を得る傾向にある資格を持ってる」「前職の元同僚は年間9万2000ドル(約935万円)を受け取っていた」という風に、実例を挙げて最初に提案することで、希望額の範囲内に効果的なアンカーを置くことができる、としています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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