なぜマウスカーソルはまっすぐではなく少し傾いているのか?
By Rufus Gefangenen
「どうして地図上では北が上なのか」「なぜ人はキスをするのか」など普段の生活では何気ないことを疑問に思うことがあります。「PCの画面に表示されているマウスのカーソルがなぜまっすぐではなく斜めを向いているのか?」と疑問に思った人がUser Experience Stack Exchangeで質問したところ、思わず納得してしまう回答が寄せられました。
interaction design - Why is the mouse cursor slightly tilted and not straight? - User Experience Stack Exchange
http://ux.stackexchange.com/questions/52336/why-is-the-mouse-cursor-slightly-tilted-and-not-straight
(PDFファイル)VLSI-81-1_The_Optical_Mouse.pdf
http://bitsavers.trailing-edge.com/pdf/xerox/parc/techReports/VLSI-81-1_The_Optical_Mouse.pdf
A History of the GUI | Ars Technica
http://arstechnica.com/features/2005/05/gui/
アメリカの発明家ダグラス・エンゲルバート氏によって発明されたマウスは、1968年にサンフランシスコで開催された「Joint Computer Conference」で初めてその姿を披露しました。当時発表されたマウスには3つのボタンが搭載されていますが、手にフィットする形状は現在のものとそこまで違いはありません。
マウスの開発と同時に、マウスの動きを画面に表示するカーソルも発明されます。エンゲルバートによって発明されたマウスカーソルはまっすぐ上を向いた矢印の形をしていて、そのサイズはディスプレイに表示されている文字と全く同じだったとのことです。
マウスの発明から5年後の1973年、ゼロックスのパロアルト研究所でThe Xerox Altoが開発されます。The Xerox Altoはビットマップを標準で装備したコンピュータ試作機にエンゲルバートが発明したマウスを組み合わせたもの。
The Xerox Altoのディスプレイはビットマップを装備し解像度が低く、エンゲルバートが発明した「まっすぐ上を向いたマウスカーソル」を表示するのは実質的に不可能であることがわかります。そこで考え出されたのが斜めに45度傾いたマウスカーソルで、エンゲルバートのものよりもディスプレイ上で識別しやすく、表示も簡単だったとのことです。
The Xerox Altoが登場してからディスプレイの解像度は飛躍的に上昇したものの、マウスカーソルの形は変わることなく斜め上を向いています。毎日PCを使用するユーザーにとってマウスカーソルの形状はささいなことではありますが、その形状に至るには開発当時ならではの理由があったというわけです。
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