メモ

Googleが謎の人工知能開発スタートアップ企業「DeepMind」を500億円で買収


Googleが人工知能(AI)の開発を行うベンチャー企業「DeepMind Technologies」を5億ドル(約510億円)以上の金額で買収したことが明らかになりました。GoogleがAI技術を獲得した狙いが気になるところですが、そもそもDeepMindがどのような企業なのかという点はあまり明らかにはされていません。

DeepMind Technologies
http://deepmind.com/

Exclusive: Google to Buy Artificial Intelligence Startup DeepMind for $400M | Re/code
http://recode.net/2014/01/26/exclusive-google-to-buy-artificial-intelligence-startup-deepmind-for-400m/

Google Beat Facebook for DeepMind, Creates Ethics Board - The Information
https://www.theinformation.com/Google-beat-Facebook-For-DeepMind-Creates-Ethics-Board

Google Acquires Artificial Intelligence Startup DeepMind For More Than $500M | TechCrunch
http://techcrunch.com/2014/01/26/google-deepmind/

GoogleはRe/codeの取材に対して、イギリスのスタートアップ企業DeepMindを買収したことを認めました。買収額について広報担当者は明言を避けましたが、DeepMindを巡っては人工知能の研究所を設立したFacebookとの間で買収競争が起こっていたと見られており、情報筋によると4億5000万ドル(約460億円)を提示したFacebookに競り勝ったGoogleの提示額は5億ドル(約510億円)を超えるものだったとみられています。

しかし、Googleが巨額の資金を投じてまで買収したDeepMindがいったいどういう企業なのか、その実像はあまり知られていません。DeepMindの公式サイトには会社概要が書かれているだけで、そこには「機械学習とシステム神経科学を取り入れることで強力な汎用学習アルゴリズムを開発する最先端の人工知能開発会社で、拠点はイギリスのロンドンにある」という記載はあるものの、事業規模などは明らかにはされていません。また、LinkedInのプロフィールからは創立3年のスタートアップ企業であることがうかがえるだけ。


しかし、このベンチャー企業は、「史上最も優秀なチェスプレイヤー」と評されたチェスの神童として有名で認知神経学の博士号を取得したデミス・ハズビス氏と、Skype・Kazaaの開発者であるジャン・タリン氏らによって設立されたもの。人工知能コミュニティでは優秀な企業として知られており、情報筋によると、少なくとも2013年12月の時点で75人の従業員を抱えていたそうです。

断片的な情報が伝えられるだけでいまいちはっきりしないDeepMindですが、Re/codeによると買収交渉はGoogleのラリー・ペイジCEO自らが主導していたとのこと。GoogleのDeepMind買収にかける情熱が伝わってきます。では、DeepMindがもつAI開発技術をGoogleはいったいどのように活用するつもりなのでしょうか。

Googleは2012年から著名な発明家のレイ・カーツワイル氏を招いて機械学習と言語プロセスを検索エンジンに組み込む試みを行っています。カーツワイル氏は「まるで友達のように手助けしてくれる検索エンジンを構築したい」と述べており、DeepMindのAI技術はカーツワイル氏の進める検索エンジン開発に用いられるかもしれません。

By MoneyBlogNewz

また、Facebookとの買収競争も一つのヒントになるかもしれません。Facebookはユーザーの行動データを分析して次に必要となる新しいサービスを開発するのにAIを活用するとも考えられており、このような、需要のある新サービスをコンピューターに考えさせるのにGoogleはDeepMindのAI技術を活用する可能性もあります。

さらに、Googleは2013年に歩行ロボットを開発するボストン・ダイナミクスを買収していることから、DeepMindのAI技術をロボット開発に応用させることも十分考えられるところです。また、Googleが開発中の自動運転車への技術活用も期待できそうです。

By James Green

現段階ではGoogleがDeepMindを買収した目的や将来の展望については明らかになっていませんが、情報筋によると、GoogleはDeepMindの人工知能開発技術をどのように活用していくのかについて、すでにDeepMind・Google倫理学委員会の設置を決定済みで、この委員会による情報開示を通じて人工知能技術の乱用に対する懸念を解消する予定であるとのこと。DeepMind買収によるGoogleからの成果報告が期待されます。

・つづき
Googleの人工知能開発をリードするDeepMindの天才デミス・ハサビス氏とはどんな人物なのか? - GIGAZINE

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Googleが歩行ロボットメーカーのボストン・ダイナミクスを買収 - GIGAZINE

Googleがスマート火災警報器「Nest Protect」の開発元を3300億円で買収 - GIGAZINE

Googleがスマートウォッチ市場を制覇するために買収した「WIMM」とは? - GIGAZINE

Androidの実行速度を10倍以上に高速化できるアプリ「droidBooster」開発企業をGoogleが買収 - GIGAZINE

15テラバイトのメモリ・2880個のCPU・2億ページ分のデータを駆使して史上最強のクイズ王と対戦中のIBM製スーパーコンピューター「WATSON」とは? - GIGAZINE

Facebookが人工知能の研究施設を設立したことを発表 - GIGAZINE

ヒト型ロボット「Roboy」制作プロジェクト、2013年3月に実機をお披露目 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.