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約1000万円で落札された任天堂の幻のゲームのその後とは?


現地時間の1月25日に9万9902ドル(約1000万円)という史上最高額で落札された任天堂の幻のゲーム「Nintendo World Championships」ですが、落札後、ゲームの価値を知った人々によって、かつてないほどのオークションへの出品が行われています。一方、約1000万円で落札されたゲームの落札者は実際にはゲームを購入しておらず、Nintendo World Championshipsのオークションがいくつも行われている現在、ゲームの本当の価値はいくらなのか、注目が集まっています。

After $100,000 bid, 3 more rare Nintendo World Championship carts surface | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2014/01/after-100000-bid-3-more-ultra-rare-nintendo-world-championship-carts-appear/

出品されたのがこの灰色のカートリッジ。ラベルが剥がれて、かなりボロボロ。


Nintendo World Championshipsはかつて任天堂がアメリカで作ったファミコン用のソフトで、全部で116本しか作られていないため、今では最もレアなカセットとして知られています。116本のうち90本は同名の「Nintendo World Championships」という大会でセミファイナリストに配られた灰色のカートリッジで、残り26本の黄金のカートリッジは大会優勝者やNintendo Powerという雑誌のコンテスト勝者に配られています。1月25日に落札されたのは灰色のカートリッジでしたが、黄金のカートリッジは過去にオークションで250万円以上の価値が付けられたこともありました。

しかし1000万円で落札された翌日、よりコンディションのよい状態のカートリッジが1万7500ドル(約180万円)で落札されました。カートリッジを手に入れたのはコレクターのマーク&マット・ノーラン兄弟でした。


ゲームは実際にプレイ可能です。


また、それとは別に黄金のカートリッジと灰色のカートリッジの2本が現在eBay上で競売にかけられていて、灰色バージョンは1万ドル(約100万円)越え、黄金バージョンに至ってはラベルがないにも関わらず9万1000ドル(約930万円)以上の価格が付けられています。

これが930万円以上の値がつけられている黄金のカートリッジ。


また、買い手がつかなかったものの、ゲーム大会のために作られたコントローラーも4700ドル(約50万円)で出品されています。


全部で116本しか作られなかったカートリッジがこんなにもオークションに出されるのは初めてのこと。これは1本のゲームに対して10万ドル(約1000万円)もの金額が提示されたのは初めての事態で、多くのメディアから注目されたためと考えられます。しかし出品者のStephenさんがNintendoAgeフォーラムに書き込んだ内容によると、落札者は「2歳の息子が知らないうちに高額で入札していた」として購入を辞退したとのことです。入札者は他にもいたため、Stephenさんは適正額でゲームソフトを渡すことができますが、今ではよりコンディションのよい同様のソフトがオークションに多く出回っているため、ラベルのないStephenさんのソフトが他よりも高額で買い取ってもらえる見込みは低そうです。


入札者が価格を異常につり上げるという事態は通常起こり得ず、注目を集めるためのサクラやイタズラの可能性も高いので注意が必要ですが、他方で、「1000万円の価値がある」として注目を集めた結果、商品が実際に資金に余裕があるコレクターに落札されたら、それは1000万円の価値があるものとなります。「Nintendo World Championshipsに1000万円もの価値はない」と考えている人も多いのですが、コレクターにとっては少なくとも数百万円の価値があるのは確か。芸術と同じで「価値があると言われるものに価値が出る」という事態も十分に考えられるため、現在900万円以上の価格がつけられている黄金カートリッジの行方が気になるところです。

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in ゲーム, Posted by darkhorse_log

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