「ムービーのアップロード前に実名登録せよ」と中国政府が言い始める
中国ではネット警察の巡回によってインターネットが監視されており、中国政府に都合の悪い情報はブロックされたり削除される「インターネット検閲システム」を設けています。そんな情報統制の厳しい中国で、インターネット上にムービーをアップロードする前に、「実名を登録する」という規則が中国政府から公式発表されました。
国家新闻出版广电总局印发 关于进一步完善网络剧、微电影等网络视听节目管理的补充通知
http://www.sarft.gov.cn/articles/2014/01/20/20140120111050370063.html
China orders real name register for online video uploads | Reuters
http://www.reuters.com/article/2014/01/21/us-china-internet-idUSBREA0K04T20140121
中国の出版局によると「インターネット上のムービーには、過激な暴力表現や、みだらな性的描写などの社会的にネガティブな効果を持ったものがあふれており、低俗なコンテンツを防ぐため、オンラインドラマ、マイクロフィルムを含むムービーをインターネット上にアップロードするには、実名登録が必要となる」と発表されています。
今回の政策は、4億2800万人のユーザーを持つオンラインのムービーサイトで実名登録を義務化することで、反政府感情を抑えたり、メディアのコントロールを強化するためとみられています。「Youku」、「Tudou」、「Renren」といった中国で流行しているウェブサイトは、全てコメントを拒否しているとのこと。
既に中国政府は2013年にWeiboのようなマイクロブログなどで、反政府的メッセージやうわさなどを500回以上投稿したり、閲覧者数が5000人を超えると法的に罰せられるという高圧的な政治運動を行ったりと、国内の情報統制に力を入れています。
中国政府は携帯電話のSIMカード購入時や、Tencent社のモバイルアプリ「WeChat」やマイクロブログに署名する際にも、実名登録を義務化する規則を以前にも実施していますが、テクノロジーに精通した人であれば簡単に回避できるとのことです。
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