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アメリカの出張族が語る米国の航空旅行業界が持つ長所・短所とは

By Ferry Vermeer

イギリスに拠点を置く航空サービス調査企業「SKYTRAX」が発表している世界の航空会社ランキングによると、2013年度の最高ランクである「5スター」に選ばれたのはシンガポール航空キャセイパシフィック航空全日空(ANA)や、カタール航空などのアジア・中東の航空会社でした。一方で、人びとの移動には飛行機が欠かせないといえるアメリカやヨーロッパ系の航空会社は4スター以下のランク付けとなっているのですが、その差はどこから生まれたのか、そんなヒントになるような調査が行われています。

Why do business travelers prefer foreign airlines?
http://www.usatoday.com/story/travel/2013/12/01/road-warriors-foreign-us-airlines/3798847/


◆航空会社への満足度
アメリカ・ナッシュビルに住むマーク・ダベンポート氏は、一年のうち120日以上も出張に飛び回るというITエンジニアです。出張の際には飛行機に乗って海外へと向かうことが多いのですが、意外にもアメリカ系の航空会社を選ぶことはほとんどないそうです。その理由を「海外系のキャリア(航空会社)は機体が新しく清潔で、快適性が高くてよいサービスを提供している」と語り、「アメリカ系のキャリアは、ヨーロッパ・アジア・中東系のキャリアに勝るところがない。もしアメリカ系キャリアの国際線で海外出張に出るとしたら、考えるだけでぞっとする」とその思いを打ち明けます。

そんなダベンポート氏ですが、ユナイテッド航空がボーイングの新型機787型機を導入したことを心から歓迎しました。しかし、すぐにその気持ちは冷めてしまったといいます。「いつもと変わらない、無愛想で味気のないサービスのままだったから」というのがその理由です。しかし、それでもなお改善の兆しを垣間見ることができたというのですが、それはどういうものなのでしょうか。

By craigfinlay

100名以上のヘビーユーザーに対して「アメリカの旅行業界全体で、海外に対して優れている会社、または劣っている会社はどこか」というアンケートが実施されました。回答の中ではダベンポート氏と同じように、アメリカ系の企業は全体的に引けを取っているという内容が多くを占めていましたが、航空業界にだけは賛否が分かれる傾向が見られたそうです。

アンケートの中で多くのビジネスマンユーザーが「優れている」として挙げた航空会社は、シンガポール航空、キャセイ・パシフィック航空、全日空、エミレーツ航空、そしてニュージーランド航空の各社で、機体・サービスの面で業界のベンチマークとなるという声が圧倒的でした。

ダベンポート氏同様、出張で世界を飛び回るハーキー・ジー氏はいちばん好きな航空会社として日本の全日空を挙げています。その理由は「食事がおいしくて、ファーストクラスからエコノミーまで、分け隔てのないサービスを行っているから」というものでした。「チケットに払っているお金の1ドルたりとも惜しいと思ったことはない」と、今年だけでも120日以上を海外出張に費しているジー氏は語ります。

By Patrick Cardinal

しかし一方、ジー氏をはじめとするヘビーユーザーは口をそろえて「海外系のキャリアに比べて、アメリカ系のキャリアはマイレージプログラムが充実しており、シートクラスのアップグレード特典を受ける回数が多い」と優れている点を挙げています。ロサンゼルスのテレビ局で重役を務めるスティーブン・タオ氏は「マイルがたまる効率もいいし、フライト数そのものも他に比べて多い」とその良さを語ります。

その理由についてアメリカの航空業界団体「Airlines for America(A4A)」のスポークスマンであるケイティ・コネル氏は、「過去9か月の間、毎月10億ドル(約1000億円)以上のコストをかけて新しい空港やラウンジ、新型機の導入、機内食の改善、ウェブサイトやモバイルサイトの改善などを行い、ユーザーサービスの向上に努めてきた結果です」と説明します。

By Joe Joyce

空港設備に関しても同じような傾向が見られます。ヘビーユーザーの多くがアメリカ国外の空港が優れていると感じている一方で、アリゾナ在住のリンダ・ピーターソン氏は「ヨーロッパの空港の中には免税店がいっぱいで、レストランなどの食事できる施設が限られている。そして、入出国管理ゲートがうまく機能しておらず、待たされることが多い」として、アメリカの空港のほうが機能的に優れていると語ります。同じく出張族のひとり、グレッグ・ジョーンズ氏も海外の空港が優れていると考えていましたが、今では「10年前に比べてアメリカの空港は、レストランやショッピングの選択肢が増えてきたと思う。海外の空港は、もっと現代的にバージョンアップが必要だと思うね」と語ります。

◆ホテルへの満足度
アンケートの中では、ホテルの満足度についての調査も行われています。前出のタオ氏は、「ヨーロッパのホテルには伝統があり、そこでしか得られない体験がある。アジア系のホテルは快適だし、ゆったりできる環境がある」と語りますが、一方のジー氏は「インターコンチネンタルやシャングリラホテルのように、アメリカをしのぐようなホテルはいくつもある」と語る一方で「あまり良くないホテルがあるのも事実です」とも指摘し、「ヨーロッパのホテルは古い街並みや歴史的エリアの近くに位置しているため、客室スペースが狭くなりがちです。しかしアジアのホテルにはそのような問題は少なく、5ツ星ホテルはどこも訪れる価値があります」と語ります。

By Stephen Wilcox - Jetwashphotos.com

アンケートの回答の多くでは、アメリカのホテルを称賛するものが多くみられます。前出のタオ氏も「ヨーロッパとアジアのホテルは、様式にこだわりすぎる傾向がある。アメリカはその点についてフレキシブルで、客の要望に応えようとしてくれる」とアメリカ系ホテルの長所を挙げています。また、ピーターソン氏は「アメリカのホテル会社に比べて、ヨーロッパとアジアのホテルは高頻度で利用するプレステージ会員のステータスに気を配ろうとしない傾向がある」と細かい点を指摘しています。

タオ氏は「アメリカ以外の企業には優れている面がたくさんある」としながらも、「アメリカ系のホテルでは必要な情報がいつでも用意されている上に理解しやすく、ビジネス客に対して利便性の高いシームレスな旅行を提供してくれる」と利点を示します。ジョーンズ氏からも「ホテルにせよ航空会社にせよ、ウェブサイトに行けば必要な情報を最新の状態で手に入れることができる」とアメリカ的サービスの長所を語っています。

By Sheraton Hotels and Resorts

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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