「こんな風に死にたくない」と思わせる凄惨さがあるOVA「コープスパーティー」イベントレポート
ホラーアドベンチャーゲーム「コープスパーティー」を原作として作られたOVA「コープスパーティー Tortured Souls -暴虐された魂の呪叫-」が7月24日に発売されるということで、発売に先駆けて劇場公開用に編集された本編と、原作者の祁答院慎さんやキャストの杉田智和さん、テーマソングを担当した原由実さん、岩永彰監督、MAGES.の野村プロデューサーによるトークが行われる上映イベントが開催されました。
コープスパーティー Tortured Souls -暴虐された魂の呪叫-
http://corpse.jp/
今回訪れたのは大阪でのイベントで、会場は大阪ビジネスパークにある松下IMPホールでした。イベントを知らせるポスターにはキービジュアルが使われているのですが、この時点で不気味な雰囲気。
会場内はお客さんでギッシリ。イベントはまず、OVAの上映からスタート。
持田哲志、中嶋直美、篠崎あゆみら9人は文化祭の片付けを終えたあと、転校してしまうクラスメイト・鈴本繭のために「幸せのサチコさん」というおまじないをすることに。全員で1つの紙人形を持っておまじないをしたところ、突然地震が発生。直美は親友の世以子とともに廃校の教室で目を覚ます。2人はふとしたことで口げんかをして、離ればなれになってしまい……というのが作品のあらすじ。廃校「天神小学校」を舞台に、絶望的な惨劇が繰り広げられることになり、9人はなんとかしてこの廃校からの脱出を目指すことになります。
上映後に行われたトークイベントは、杉田さんの「ご愁傷様でした……」というコメントからスタート。登壇したのは左からMAGES.の野村プロデューサー、原作者・祁答院慎さん、刻命裕也役の杉田智和さん、岩永彰監督、エンディングテーマを担当した原由実さん。原さんはPSP用ゲームソフト「コープスパーティー -THE ANTHOLOGY- サチコの恋愛遊戯♥Hysteric Birthday 2U」では水原さつき役を担当しています。
「コープスパーティー」は、最初はPC98用のゲーム制作ソフトPRGツクール Dante98で作られ、その後、Windows版や携帯アプリ版、PSP版などがリリースされているホラーアドベンチャーゲーム。アニメ化については、2011年9月に発売された「コープスパーティー Book of Shadows」の制作が終わったあたりで「やってみたい」という話が出たそうで、監督は中身について「OVAだと好き勝手できると聞き、本当に好き勝手やらせてもらいました(笑)」と語っていました。
杉田さんは、岸沼良樹役の中村悠一さんからこのゲームのことを教えてもらって、初代からプレイしていたそうで、その当時の感想は「こんな気持ち悪いゲームはスウィートホーム以来だ、うぇっ!」というもの。その後、携帯アプリ版でボイスキャスト募集があったことを期限が過ぎてから知り、応募できるのはアマチュアだけだったにも関わらず「出たかったなぁ」とマネージャーに伝え、「杉田さん、プロでしょ」とたしなめられたというエピソードも。
しかし、あまりにも思いが高まりすぎたことから、杉田さんは長文メールを書いて送ってみたところ、祁答院さんから丁寧なメールが返ってきて、以後、仲良くしているとのこと。この大阪イベントに先立って、2人で前乗りしてサウナでいろいろなトークを繰り広げたそうです。
ゲームとアニメとでは展開が異なり、亡くなったキャラが多かったと同時に、ラストシーンがかなり衝撃的に。これを考えたのは脚本担当の佐藤勝一さんで、本読みのときに提案されたもの。野村プロデューサーによると、このころになるとみんな感覚が麻痺してきて「まだまだ、もっともっと」と衝撃を求めるようになっており、杉田さんが「衝撃ありすぎ」と表現するような形になったとのこと。
このあと、原さんがエンディングテーマ「蛍火」と「spiral moment」を歌い上げました。レコーディングの時点で、エンディングがどうなるかを聞かされていたので、それに負けないように頑張ろうと歌ったものだとのことですが、原さんは東京での上映会の時、エンディングが衝撃的すぎたので曲が流れていることに気付かなかったのだとか。
来場者には全員プレゼントが渡されましたが、他に抽選でサイン入りクリアファイルのプレゼントが行われました。
杉田さんが当選者を選定中……。
このほか、会場限定でOVAの事前予約ができるようになっていて、予約した人の中から抽選で2名にサイン入り台本とサイン入りアナザージャケットが当たるというキャンペーンが行われていました。
イベントの最後には来場者に向けてメッセージが送られました。
祁答院:
今日は集まっていただいてありがとうございました。何とかコレをヒットさせて、続編を作らせて下さい!みなさん、今後ともコープスをよろしくお願いします。
岩永:
なんだかんだと「コープスパーティー」に1年以上関わらせてもらい、このような大きなスクリーンで映してもらえるとは思っていなかったので、嬉しいのと同時に、「そこ見えなくていいのに」というところまで見えちゃうのもあるんですが(笑)、作った側からすると嬉しいことです。OVAということなので好き勝手やらせてもらいましたが、「コープスパーティー」は長く愛されてきた作品なので、それを崩さないように作ったつもりです。ちょっとでも期待に応える作品になっていれば幸いです。
原:
「コープスパーティー」、歴史があって多くの人に愛される作品のエンディングを歌えて嬉しく思います。声優としてもさつきちゃんとしていろいろ演じられればと思っているので、その日を楽しみにしています。今後ともコープスパーティーをよろしくお願いします。今日はありがとうございました。
杉田:
「コープスパーティー」をプレイしたり、実際に関わらせてもらったりしていつも思うことなんですが、こういった極限状態を見ているからこそ自分の命を大事をするようになる、というのが教訓としてあります。こんな風に死にたくないって(笑)。こんな風に人を恨んだりとかよくないよと、むしろ現実世界で前向きになります。こういうものこそ見て、自分の中で教訓にしたり心のバランスを取ったりして欲しいなと思っています。とはいえ、ひどいものといえばひどいものなので、締めの言葉の代わりに、祁答院の首を絞めます…!
と、本当に祁答院さんに襲いかかった杉田さん。仲が良すぎて困ります。
杉田さんの「命は大事にしろよ、一個しかないんだからな!」というメッセージを残して緞帳が下り、イベントは終了。杉田さんのコメントにもあるとおり、本当に「こんな風には死にたくない」と思わせるヒドさがあり、R15+指定を受ける凄惨なシーンのある作品でもありますが、ホラーを突き抜けた先にあるのは笑いなのかもしれないということを感じさせる作品でもあります。YouTubeで公開されているトレーラー第3弾では残虐表現が解禁されているので、耐性の無い人は見ない方が無難かもしれないというレベル。
コープスパーティー Tortured Souls ―暴虐された魂の呪叫― トレーラー第3弾 - YouTube
興味のある人はぜひ見てみて下さい。
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