目指すは「手で見るテレビ」、指に刺激を与え仮想形状を示す力覚提示装置や触覚ディスプレイ
視覚に障害があると、「地図」のような2次元情報や「美術品」などの3次元情報を目から得ることができません。そういった人のために、仮想物体の形状を実物に近い感覚で伝えることができる力覚提示装置と、触れただけで図の重要な場所が分かる触覚ディスプレイを、NHKが開発しています。
展示項目16 2次元・3次元情報の触覚・力覚提示技術 | NHK技研公開2013
http://www.nhk.or.jp/strl/open2013/tenji/tenji16/index.html
目指すものを一言で表現すると「手で見るテレビ」
言葉では表現できない情報を触覚で伝えるものです。
まずは、「複数の刺激で仮想物体を再現する5点分布刺激型力覚提示装置」。指先の5点を刺激することで、実際に指で触れたときと同じような力覚を得られるという装置です。
従来の1点接触型の力覚提示装置はこんな感じ
装置の先に指をセットすると、仮想物体をなぞったとき、物体の稜線や尖ったところで抵抗を感じるようになっています。
指への刺激は点数が多い方が特徴を把握しやすくなります。今回の装置のポイントは5点ということ。
ここに指を差し込みます。
右側のディスプレイに映っている仮想どーもくんを触っているところで、歯のギザギザした感じやくりっとした目の感触が確かめられます。
こちらは「任意箇所で振動可能なインタラクティブ触覚ディスプレー」
地震の震度を振動で知らせるディスプレイがコレ。ここでは東北地方が例になっていますが、県ごとに震度が異なっていて、振動ディスプレイでも異なる振動によりそれを伝えています。
実際に触ってみたところはこんな感じ。
データ放送の地震の震度を振動で提示@NHK技研公開2013 - YouTube
オブジェクト単位での振動提示だとこちら。例は駅の構内図。
オブジェクト単位で振動提示@NHK技研公開2013 - YouTube
最後は色相による振動提示。津波警報だと沿岸が赤、津波注意報だとオレンジ色で表示されますが、その違いを示しています。
色相を検知して振動提示@NHK技研公開2013 - YouTube
今後、データ放送で配信される「図」や、仮想の美術品などを触ることができるようなテレビの実現を目指して研究を進めていくとのこと。なお、この研究の一部は東京大学と共同で進めています。
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