ロシアの秘密エージェントがスパイグッズを駆使し超重要機密をピザ配達のバイトからあの手この手で奪おうとする「Spy vs Guy」
1970年代のアメリカでうっかりドジを踏んでミッションに失敗したロシアの秘密エージェントが、現代で挽回すべく、過去のスパイグッズを使いつつピザ配達の青年から超機密事項を奪還しようと奮闘するムービーが「Spy vs Guy」です。無料で公開されているのですが、約17分という長さで、非常にハイクオリティの映像・ストーリーとなっており、かなり見応えのある作品となっています。
Spy vs Guy on Vimeo
冷戦さなかの1970年代、ワシントンD.C.に現れた一人の男性。
秘密の場所で一人の男性にファイルを手渡され、それに目を通します。
コインの周囲になにかビビビと出ているようなイラストが……
ソ連から押収したもので、コインにはミサイルの誘導装置が仕込まれていて、リモコンで電源をオンオフすることができるという仕組みになっているようです。
リモコンは紙袋に入れられて、スパイである男性に渡されます。
コインも同様に手渡されようとしますが……
スパイはこの男性を射殺。つまり、アメリカに押収されてしまったミサイルの誘導装置をここで取り戻したというわけ。
逃げるようにその場を後にするスパイ。
仲間の待っていた車に乗り込んでリモコンを渡し、ミッションコンプリート。買ったコーラで一息つくスパイですが、「コインは手に入れたか?」という言葉に……
無言で瓶を眺めて、ゆっくりと横を振り向くと……
そこには自動販売機が。
このスパイ、完全にダメなことをやってしまったのでした……。
「SPY VS GUY」
場面は変わり、チャリンチャリンと自動販売機からお釣りが出ました。
お釣りのコインをポケットに入れたのは……
ピザ配達員の男性。時代は現代、場所はアメリカのペンシルベニア州です。
帰宅して、ポケットに入れていたカギや小銭を電子レンジの上に無造作に投げ出しました。
そして冷凍食品を温めだしました。ところがこの電子レンジ、正面のガラスがちょっと割れていて……
マイクロ波が外に漏れていて、それを受けたコインに異変が。
赤く点滅しだすコイン。
場所は変わってロシアのどこか。
今はすでに使われていない基地でコインの信号を受信、機械が動き始めました。
モニターは自動的にオンに。
男性のアパートでは電子レンジがカウントダウンしています。
すると基地内でミサイル発射のカウントダウンも開始。
ゴゴゴ……とミサイルサイロの天井が開きだしました。
赤い警告ランプが点滅。
冷凍食品を待つ男性。
どんどんと残りが少なくなり、そして……
チーン。
ミサイル発射のカウントダウンは残り1秒というところで停止。
あちち……と男性は冷凍食品を取り出します。
再び電子レンジの上でコインは沈黙するのでした。
さらに場所が変わって、今度はどこか田舎の景色。
古びた小屋の中で電話が鳴り響き、一人の男性が登場します。
かかってきたのは天気予報。ワシントンにハリケーンがやってくる、という知らせに電話に出た男性はハッとした表情を浮かべます。
そして場所は再びペンシルベニア州、配達員のもとへ。
電話を受けたのはありし日のスパイで、天気予報は再びミッションが動き出した暗号だった様子。スパイは双眼鏡を使って車の中から様子をうかがいます。
どうやら目当てのコインはポケットの中にあるようです。
1970年代にうっかりドジを踏んでしまった男性は、あのとき失ったコインを手に入れるべく、再びミッションにつきます。
カバンの中にぎっしりのスパイ道具を使い、汚名返上を目指します。
ここからスパイがピザ配達員の男性のコインを狙う一方的な戦いがスタートします。まずは、デリバリーの男性がピザの配達中。
その背後の階段に、老人が「盲目のホームレスを助けてくれませんか?」というカードを掲げています。
どうしようかと考えた配達員は……
このホームレスにピザをプレゼントしました。
もちろん、このホームレスはスパイの変装。コインゲットはならず、ピザを放り捨てます。
配達員の男性が振り返ると……
「金銭的な問題を抱えています」というカードを掲げた男性。もちろんあのスパイ。
じっと真剣なまなざしを向ける男性。
今度こそコインをもらえるだろう……と思いきや、手に入ったのは札束。配達員の男性、人が良すぎます。
作戦を変えたのか、ローラースケートをはじめたスパイ。
ロッカールームから新たなアタッシェケースを持ち出しました。
ケースからは出てきたのはいかついグローブのようなもの。これを手に装着すると……
コインがカタカタと音を立てはじめました。
さらには、地面を離れて男性の手の中へと吸い込まれるコイン。どうやらグローブには強力マグネットが仕込んであるようです。
新兵器を投入してミッション再開。配達員の姿があるところに……
スパイの姿アリ。
青年に向けて手をかざします。
しかし、運悪く自転車の女の子が通過。グローブは自転車にくっついてしまいました。
何とか離したと思ったら……
ガシッ。
今度は車でした。
めげずに再挑戦。青年に向かって手をかざします。
すると、公園の巨大なゴミ箱がゴゴゴ……と動き出しました。
あと少し。
……と思ったのもつかの間、ゴミ箱にふっとばされてしまいました。
まだまだ諦めません。今度は中古車のトランクの中からアタッシェケースを取り出します。
不要になった車は爆破。ここに来てようやくスパイっぽい感じがしてきました。
アタッシェケースから取り出した装置のスイッチをオン。
スパイの目の前にかけられたコートのポケットから煙が上がり……
コトリと3枚のコインが落ちてきました。コインが熱せられたことで布地が溶けてしまったようです。
「いける……」とばかりにニヤリと笑うスパイ。
ピザをお客さんに届ける青年を……
橋の上から見つめます。
装置のスイッチを入れると、青年のジーンズから少しずつ煙があがり始めました。
真剣な表情で見つめるスパイ。
しかし、そのカバンは留め具が熱せられ、じわじわと煙があがっていきます。
プツンとカバンのショルダーストラップが切断。
装置が入ったカバンは橋の下へ落下、川の中にポチャン……と入ってしまったのでした。
それでもあきらめないスパイ。次にやってきたのは墓場です。
掘り起こしたケース。
中からはギラリと赤く目が光る怪しげなハトが現れました。
ハトを放ちます。
すると、ハトは足でコインを掴みます。
スパイの元へと戻ってきました。
次こそはしくじらない……という決意を胸に再び青年の後をつけるスパイ。
毎回真剣ですが、今度も真剣な表情です。
手の中には怪しく目の光るハト。
支払いを受けている青年の元へ……
いざ、ハトを放ちます。
……と思ったらハトは青年とは反対の方向、大空のかなたへ飛び立ちました。
カチカチとリモコンで操作するも戻らず。
しーん。
そしてその横をデリバリー青年はいぶかしげな表情で通りすぎていきました。
この後もスパイはコインを奪還すべく、殴られても殴られても立ち上がるボクサーのような打たれ強さで過去のスパイグッズを使ってあれこれと画策し、事態は思わぬ方向へ、最後はなるほど……納得してしまうオチを迎えます。なお、このムービーはビジュアル・エフェクトのプラグインを販売するRed Giantによって作られたもの。ムービーはRed Giantのプラグインを使うとこんなムービーが作れる、という広告なのですが、非常にハイクオリティな仕上がりとなっているのでした。
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