元祖シムシティの開発者であるウィル・ライト氏がシムシティのサーバ問題に苦言
By jonpurdy
シミュレーションゲームのシムシティやシムシリーズの制作者であるウィル・ライト氏が、自身の母校であるカリフォルニア大学サンタクルーズ校で講義を行った際、2013年3月に発売されDRM問題やサーバー障害が指摘されていたPCゲーム「シムシティ」について言及しました。
Will Wright: Games "falling way short" as a medium | GamesIndustry International
http://www.gamesindustry.biz/articles/2013-05-04-will-wright-games-falling-way-short-as-a-medium
シムシティは10年ぶりの完全新作であることや、シムシティ2000ネットワークエディション以来となるオンラインマルチプレイなどの新機能がシムシティファンの間では注目されていましたが、DRMのためにプレイヤーは常時インターネットに接続することが必須となっており、発売前にはオフラインでのシングルプレイを望むコメントが公式サイトに投稿されるなど、不安な一面もありました。
シムシティは発売開始後、大量のアクセスによってサーバーがダウンし、サーバーにつながらないプレイヤーはゲームをプレイできなくなるという大きな問題が発生。元祖シムシティのクリエイターであるライト氏によると、60ドル(約6000円)支払って購入したゲームが不具合でプレイできない商品だったなどということは弁解不可能な事態で、シムシティのサーバー不具合に対するプレイヤーの怒りに満ちた反応は十分理解できるとのこと。またライト氏はサーバーに障害が発生するのは何となく予想できていたことであるとも述べました。
By @_natashaleigh
シムシティの発売元であるEAホームは2012年から2年連続でアメリカのワースト企業に選ばれてしまうなど暗いニュースが話題に上ることが多いですが、昨年にはレイオフを敢行したり、今年に入ってCEOのジョン・リッキティエロ氏が業績不振を理由に引責辞任するなど、社内を改善していく動きも見られました。しかしながら、ライト氏はEAの業績不振に対する改善策について、業績を変えるような決定的なものには見えないと真っ向から否定。EAは各部署がバラバラの方向を向いているため、今は再編成に多大なる労力をさいているとのこと。
By lhuiz
シムシティのDRM問題や、日本時間の5月22日に発表されるマイクロソフトの次世代Xboxについてのゲームをプレイするためには常時ネット接続必須といううわさに関する議論には、そもそも根底に1つの問題があるのではないかと、ライト氏は指摘します。ライト氏によると、完全オンライン専用のゲームである「World of Warcraft」を飛行機の中でプレイできると思っているユーザーはいないはずですが、シングルプレイゲームなのかマルチプレイゲームなのかどっちつかず状態のシムシティは「きっとオフラインでもプレイ可能だろう」とユーザーが考えてしまい、結果的にオンライン必須であることがわかって不満を感じる原因になっているのではないかとしています。
EA Labelsのフランク・ジブー氏は、ゲーム産業のニュース配信サイトであるGamesIndustry Internationalの取材に対し、シムシティがオンライン常時接続を必要としていたのはDRMが目的ではなく、多人数参加型の体験を作り上げるためで、そもそもDRMはゲームビジネスにとって効果的な戦略ではないと語りました。
By rachelandrew
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