取材

WiMAXやXiなどに同時接続してフルHD動画を中継する機材を1つに収めた「TVUPack」



Ustreamやニコニコ動画(ニコ生)の普及で映像の生中継が行えるようになってきましたが、屋外からモバイルルーターなどを使用して配信を行う場合には通信速度が安定しないのが悩み。特に、場所を移動しながら配信を行う場合は少し位置が変わるだけで通信速度が墜ちることも少なくありません。特に画質を気にしないのであれば3G回線などを利用することも可能ですが「フルHDで安定して生中継をしたい」という場合には結局有線LANが必要になってしまい屋外での使用は困難でした。

そんな問題を解決するために作られたのが「TVUPack」で、これを使用すれば同時にXiやWiMAXなど最大10個の高速無線インターネットサービスに同時接続してフルHD(1080i)でムービーの生配信を行うことが可能になります。

展示を行っているのはスターコミュニケーションズという会社。


一見するとただのバックパックかカメラバッグに見えますが、これ1つにフルHDムービーの中継を行うための機材が収まっています。


大きさはこれぐらい。


側面からはコードが伸びており……。


ビデオカメラと接続されています。なお、カメラと送信機はHDMIで接続することができ、途中に複数台のカメラの切り替えを行うスイッチングハブを取り付けることも可能。


バックパックの下部にあるフタを開けるとディスプレイがあり、中継しているムービーの内容をリアルタイムで確認できます。また、最短1.0秒と遅延の少ないH.264エンコーディングエンジンやパケットエラーに対処するためのFEC(フォワードエラーコレクション)を備え、移動しながらの中継でも安定したデータ送信が行えるとのこと。


上部には通信端末を収めるためのスペースがあり、XiやWiMAXなど複数のキャリアの端末が収められています。「TVUPack」には「Inverse Statmux」と呼ばれる独自のシステムが搭載されており、ライブの映像をリアルタイムで複数の3GやLTE、WiMAX回線などに分配して送信することで安定した通信を実現しているそうです。


中段にはホットスワップ対応のバッテリーパック2個を搭載。公称の連続使用可能時間は約2時間20分です。


送信されたデータを受け取る専用のレシーバーマシンはこんな感じ。


実際にどれくらいの画質で配信が行えるのか? というサンプルは以下のリンク先で確認可能です。

デモ映像 - TVUPack(無線回線による映像中継システム) | スターコミュニケーションズ株式会社

というわけで、「TVUPack」を使えば音楽ライブやスポーツ競技に花火大会や講演会などを完全ワイヤレスでインターネットに生中継することが可能。1日8万円で貸し出しも行われているので、イベントなどでフルHDの高画質映像を配信したいという場合には役立つはずです。

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in 取材,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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