ヒッグス粒子とみられる新粒子発見がどれだけのレベルですごいことなのかがよく分かる現場の写真まとめ、ピーター・ヒッグス氏も登場
欧州合同原子核研究所(CERN)が今まで知られていなかった新粒子をかなり高い信頼性で発見、物質に質量を与える(つまり「重さ」がある理由)と考えられている素粒子として考えられており、その存在が予言されていた「ヒッグス粒子」とほぼ同じであることが発表されました。
CERN
http://public.web.cern.ch/public/
長年探索してきたヒッグスボゾンとみられる粒子を CERN の実験で観測
https://sites.google.com/site/lhcpr2011/20120704
まずはプレスカンファレンスの様子
そして今回のヒッグス粒子らしき新粒子を発見したことについてのセミナーの様子
右側の人が英物理学者ピーター・ヒッグス、ヒッグス粒子の「ヒッグス」はこの人の名前からとられています。
今回の発見についてのプレゼンに熱い視線を注ぐ人々
惜しみない拍手
ついにはスタンディングオベーションまで
ヒッグス氏、再び登場
なお、リリースによると、
この粒子の性質を精密に測定し、宇宙を理解するうえでどのような役割をはたしているかを明らかにすることが次のステップである。この粒子の性質は、長年探してきた標準理論最後の未発見粒子、ヒッグスボゾンと一致するのか?あるいはもっと奇妙な粒子であるのか? 標準理論は、我々自身やや宇宙で実際に見えている物質を形作っている基本粒子の性質と、その間に働く力を記述する理論である。しかし我々が観測できる物質は宇宙全体のわずか 4%に満たないと考えられている。ヒッグス粒子の性質が標準理論の予想と異なることがわかれば、まだ得体のしれない宇宙の 96%の成分の理解につながる可能性がある。
「自然を理解する上での新たな段階に入った」CERN 所長のロルフ・ホイヤー氏は語る。「ヒッグスボゾンとみられる粒子の発見は、それの詳細な研究へと続いていく。たくさんのデータを溜めることで、新粒子の性質をさらに調べることができ、そこから我々の宇宙の他の謎を解き明かすことができるかもしれない。」
新粒子の特徴をきちんと同定するには、多くのデータと時間が必要だ。しかし、ヒッグス粒子がどのような形で現れようとも、物質の基本構造に対する我々の理解は、今まさに次の段階に進むといえる。
とのことです。
今回の発表の予告編としてYouTubeに公開されていたヒッグス粒子検出のための超巨大実験装置「アトラス」などのムービーを見ると、いかに多くの人々が努力した結晶であるのかが分かります。
CERN NEWS : LHC experiments prepare for summer conferences - YouTube
さらに以下のムービーでは実際にヒッグス氏が登場して解説してくれています。
Best of Higgs Field Theory physicists - YouTube
・関連記事
ヒッグス粒子検出のための超巨大実験装置「アトラス」完成までの写真集 - GIGAZINE
「機動戦士ガンダムに出てくるメガ粒子砲というビーム兵器のことについて質問します」の回答がすごい - GIGAZINE
80億電子ボルトのビームを打ち出す全長1.5キロの巨大研究施設「SPring-8」に行ってきた - GIGAZINE
・関連コンテンツ