レビュー

空間光学手ブレ補正の力が10本のムービーでわかるソニー「HDR-PJ760V」レビュー


世界初の「空間光学手ブレ補正」を搭載したソニーのハンディカム「HDR-PJ760V(直販税込み13万8000円、記事作成時点の価格.comの最安値は10万3300円)」は同社の「HDR-CX700V」などと比較して13倍も手ブレを抑えることができる画期的なモデルになっているとのことなので、今回は実機を借りて歩きや自転車、自動車など手ブレが気になるシチュエーションで実際にムービーを撮影してその実力を確かめてみることにしました。

「HDR-PJ760V」の最大の特徴は、レンズや撮像素子を丸ごと振動を吸収する機構の中に納めた「空間光学手ブレ補正」ユニットを備えること。


電源を切った状態でレンズを指で触るとカタカタと動かすことができます。これが手ブレ補正機能を作動させた状態ではレンズが自動で動くようになり大きな揺れにも対応できる強力な補正を実現しています。

ソニー「HDR-PJ760V」の空間光学手ブレ補正ユニットをグリグリ動かしてみた - YouTube


◆実際にムービーを撮影してみた

以下のテストでは、写真のように2台のカメラを1枚のアクリル板に固定して、ほぼ同じ振動が加わる状態で同じ方向を向くようにして撮影を行ない、一般的なビデオカメラの手ブレ補正と「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」の効き具合を比較してみることにしました。なお、今回テストに使用したのはキヤノンの「iVIS HF M41(税込み6万円前後)」です。


まずは、手持ちの状態で20メートルほど先にある時計に向かって徐々にズームをしながら撮影をして手ブレ補正の効き具合をチェック。

「HDR-PJ760V」では光学10倍の最大望遠の状態でもほぼ揺れを感じることはありません。

ズームでソニー「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」を試してみた - YouTube


一方「iVIS HF M41」は最大望遠では画面がかなりガクガクとしており、大きな揺れは補正しきれていないことがわかります。

ズームでキヤノン「iVIS HF M41」の手ブレ補正を試してみた - YouTube


次は歩きながらの撮影をして、歩行による振動の影響をチェックしてみましょう。


「HDR-PJ760V」は補正ユニットが吸収できる範囲を超えた振動が発生した場合に一瞬だけ画面がユラッとなりますが、一歩一歩の揺れはほぼ吸収できています。

徒歩でソニー「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」を試してみた - YouTube


「iVIS HF M41」の場合は歩調に合わせて画面が小刻みに揺れており、十分に振動を吸収し切れていないことがわかります。

徒歩でキヤノン「iVIS HF M41」の手ブレ補正を試してみた - YouTube


カメラを持って全力疾走をした場合のムービーは以下のような感じ。

「HDR-PJ760V」でもさすがに振動を吸収しきれず、かなり大きな揺れが確認できます。しかし、ガツンという鋭い揺れではなくボヨンボヨンという感じでマイルドな振動になっているので、なんとか観賞に堪えるレベルです。

走ってソニー「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」を試してみた - YouTube


「iVIS HF M41」で撮影した映像は着地の揺れなどがダイレクトに伝わっている感じで、一歩ごとにガツンとかなり鋭い揺れが起こり見ているだけで酔いそう。

走ってキヤノン「iVIS HF M41」の手ブレ補正を試してみた - YouTube


自動車の中から手持ちで撮影したムービーは以下です。

「HDR-PJ760V」は路面の凹凸からくる細かい揺れをほぼ完全に吸収できており、最大望遠にした状態でも映像はクリアで何が映っているかしっかりと識別できるレベル。

車の中でソニー「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」を試してみた - YouTube


「iVIS HF M41」も広角側では不快に感じるほどの揺れは起こっていませんが、望遠にすると被写体を捉えることができないくらい激しい振動が発生してしまっています。

車の中でキヤノン「iVIS HF M41」の手ブレ補正を試してみた - YouTube


自転車に乗って手持ちで撮影したムービーは以下のような感じです。

自動車よりも細かい振動がないのでより安定しており、カーブを曲がる際などでも大きな揺れを感じることがない映像が撮影できています。

自転車でソニー「HDR-PJ760V」の「空間光学手ブレ補正」を試してみた - YouTube


もともとの揺れがすくないので「iVIS HF M41」の手ブレ補正機能でもほぼ振動を吸収しきれており、割と安定した映像になっています。

自転車でキヤノン「iVIS HF M41」の手ブレ補正を試してみた - YouTube


◆実機フォトレビュー

パッケージはこんな感じ。


内容物は本体のほかにレンズフードや各種ケーブルに取り扱い説明書など。


バッテリーを装着した状態での本体重量は約620グラム。


1/2.88型CMOSセンサーを備え、60pでフルHDムービーの撮影が可能です。


本体色はツヤ消しのブラックなので、指紋などが目立ちにくくなっています。


内蔵メモリーは96GBで画質を落とせば最長約38時間40分の撮影が可能。


付属のバッテリー「NP-FV50」を取り付け、ズームなどを繰り返して使用した場合の実撮影時間は約55分。


録画スタート、ストップ用のボタンは親指が長かったり短かったりしても押しやすい大きめかつ縦長の形状。


側面のグリップする部分には革のような凹凸を再現した「シボ加工」が施されているので滑りにくくなっています。


電源をオフにした状態ではレンズを保護するカバーが下りています。


ムービー撮影時の有効画素数は614万画素で、光学10倍、デジタル120倍ズームを搭載。


液晶ディスプレイを開いた状態で正面から見るとこうなっています。


標準バッテリー装着時の本体サイズは高さ71.5×幅73.5×長さ137.5ミリです。


タッチ対応の3型(92.1万ドット)の液晶ディスプレイを搭載。指で触った場所にピントをあわせることができます。


撮影中の画面表示は以下の通り。


録画のスタート、ストップやズームの他にムービー再生時の巻き戻しや早送りなどもできるリモコンが付属。


本体を上からみるとこうなっています。


底面はこうなっています。三脚を取り付ける穴は金属製なので繰り返し使用しても削れることがなさそうです。


ディスプレイの内側にある操作ボタンはこんな感じ。記録メディアはメモリースティックPROデュオ、メモリースティックPRO-HGデュオ、SD、SDHC、SDXCカードに対応しています。


充電用端子の差し込み口は本体背面の下側にあるので、充電しながら撮影してもケーブルの取り回しがラクです。


本体脇にはマイク端子、ヘッドフォン端子、スピーカー出力端子を搭載。


USB2.0端子を使用してPCと接続し内蔵メモリーのデータを転送可能。この辺りは後継機でのUSB3.0化に期待です。


レンズの上にドルビーデジタル5.1chのズーム連動マイクを備えています。


本体上部にはアクセサリーを取り付けるためのホットシューがあります。


レンズ下部にはフォーカスなどをマニュアルで操作できるダイヤルを搭載。


実際に持ってみるとこんな感じ。なお、モデルは身長180センチの男性です。


液晶ディスプレイの裏にはプロジェクターを備えています。


プロジェクターユニットの中身はこうなっています。


解像度は640×380で輝度は20ルーメン。投影可能距離は最短約50センチ、最長約5メートルで、標準バッテリー搭載時の連続使用可能時間は約100分です。


プロジェクターの焦点距離はディスプレイの上部にあるスライダーで素早く調節可能。


◆アクセサリー

別売りの「ポータブルスピーカー RDP-CA1」は直販税込み7350円。


360度に向けて音が出るので、どの角度でもクリアーなサウンドを聞くことができます。プロジェクター機能を使用する際にカメラ本体を囲むように座っても全員が迫力のある音を聞けるので便利。


本体に取り付けてみるとこんな感じ。


ソフトキャリングケース LCS-ACB」は直販税込み4410円。


本体をストラップとつなげて使用。


首からぶら下げてみるとこんな感じ。


袋状のカバーをかぶせているだけなので、取り出すのは簡単。


2~3秒でこのように撮影可能な状態になります。


三脚が使用できない状態でズームを多用する場合や乗り物の中から撮影する際には「空間光学手ブレ補正」による映像のガタつきを抑える効果を強く実感できるので、アクティブに撮影したい人におすすめです。

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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