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衝突してもより安全な自動車はどれかがわかるかなり便利な「JNCAP」


「昔からこの手の衝突実験を行っているが、こちらが国交省の自動車事故対策機構関係者で、購入した自動車が実験に使われることを知ると各自動車ディーラーがメーカーに連絡し、なんと衝突事故で壊れにくくなるように補強した自動車を納入してきたんです。なので、今サイトに掲載されている分はそういうことができないように、国交省関係者の親戚・友人・全くの第三者などにお願いして自動車を購入してもらい、実際に納入される自動車を目の前で見せてもらった段階で自動車事故対策機構であることを告げます。さらにあらゆる部分に『封印』をその場で施し、もし何か補強する工作をあとから行った場合はすぐに分かるようにし、そうやって納入された何の工作もされていない普通の自動車を使って試験を行っています」というのを前回の東京モーターショーで国交省の担当の方と話した際に興味深いエピソードとして教えてもらって以降、便利に使っているのがこの「JNCAP」です。

JNCAP|NASVA 独立行政法人 自動車事故対策機構
http://www.nasva.go.jp/mamoru/


このサイトの情報、知っている人は知っているが知らない人は知らないものの典型で、実際に編集部で移動するのに使う自動車を購入する際にあちこちの自動車ディーラーなどに「衝突事故を起こしても乗っている人ができるだけ安全であることを優先したい」という条件で聞いてみたのですがまったく話にならず、なんとかしたいなと思ってついには自動車保険会社などにまで質問する有様だったのですが、このサイトの存在を知ってからは精神的に少しだけラクになりました。

実際にどういう実験をしたのかというムービーもちゃんとYouTubeに公開されています。ちなみに2年前の東京モーターショーではこのムービーがネット上になく、「絶対にYouTubeで公開すべきですよ」と力説していたのですが、その後、本当にちゃんと公開されました。

自動車アセスメント:トヨタプリウス:オフセット前面衝突試験 - YouTube


自動車アセスメント:トヨタランドクルーザープラド:側面衝突試験 - YouTube


自動車アセスメント:ダイハツミラココア:フルラップ前面衝突試験 - YouTube


ちなみに2年前の2009年に行われた東京モーターショーでも実際に衝突実験に使った自動車が以下のようにして展示されていました。かなりのド迫力。


べこんべこんとかいうレベルじゃない


これだけの衝撃でも砕け散っていないフロントガラス、当然ながら優秀なわけです


中の実験人形ダミー「ハイブリッドIII(身長175cm、体重78kg)」はどうなっているかというと、意外に壊れていません。これが衝突事故を起こしても安全な自動車、見た目はすごいことになりますが、運転手は割と安全。


何よりこの衝突実験の成績上位車種のすごいところは、このようにして運転手の「足」が守られていること。国交省の当時の担当者の方によると「衝突事故を起こして一命はとりとめても、両脚が切断されるというケースが実は結構あるのです。それでいくと、やはりこのようにして運転手の命を守るだけでなく、このように後遺症もなく無傷でいさせるというのはかなりすごいことです」とのこと。


この試験のそれぞれの意味も以下のムービーで解説されており、非常に分かりやすいです。特に、単純な正面衝突や側面衝突だけでなく、実際にありがちな事故を前提として実験しており、自動車の仕様自体も強化されたものではなく、初期状態であるため、かなり参考になります。

自動車アセスメント:衝突試験 - YouTube


実際の検索は以下のページから行うと簡単です。

JNCAP|自動車アセスメント - 試験車種を検索
http://www.nasva.go.jp/mamoru/car_search


とりあえず高評価な自動車が知りたい場合は、何も指定せず「検索する」をクリックするだけでOK


これが現時点での上位車種。トヨタ「プリウス S」、スバル「レガシィ ツーリングワゴン 2.5i Sパッケージ」、トヨタ「ランドクルーザープラド TX」、トヨタ「ヴェルファイア 2.4Z / アルファード」がほぼ満点に近い値をたたき出しており、絶対安全という保証ではないのですが、少なくとも安全性を重視するのであればこの4つは検討に値する、ということですし、ほかの希望車種にしても迷った場合の最後の選択肢として「安全性能」で比較することが可能になるわけです。


さらに「詳細評価」タブをクリックすることによって、フルラップでの「運転席」「助手席」、オフセットでの「運転席」「助手席」「後部席」、側面衝突、後面衝突の「運転席側」「助手席側」の評価を見ることができ、何を重視するかによっても客観的に判断することが可能となっています。


車種名をクリックするとこのように詳細なデータとともに、YouTubeの衝突実験ムービーへのリンクも出てくるので、実際に自分の目で確かめるのも簡単です。


ただの抽象的な総合得点だけでなく、実際の測定数値も公開されているため、厳密な意味での検証も可能


歩行者の頭部を保護する性能についても図で示されており、理解しやすくなっています


ブレーキ性能や後席シートベルト使用性能評価、安全装置の装備状況まで網羅されており、各自動車会社にこの試験結果が警戒される理由もわかります。事実、この試験で上位をたたき出したところはそのことを明記しており、逆に成績があまり良くなかった場合は自動車メーカーにとって都合が悪いので何も示していません。例の民主党の「仕分け」でこのJNCAPが仕分け対象になったのが不思議で、実際、冒頭に書いたような手段を執らなければならないほど自動車メーカーもこの実験結果を気にする訳なので、自動車に乗る人にとっても、乗らない人にとっても、こういうものは税金の有意義な使い方であるように感じられます。


自動車の燃費などに注目するのはもちろんですが、やはり万が一の場合のことを考えると、こういう情報は知っておいても損にはなりません。ただ、このサイトを知る前に買った自分の自動車の結果をドキドキしながら見ると、少しへこみますが……。

・オマケ:国交省ブースにいたコンパニオンさんは派遣されてくる人なので、実験に使ったぐちゃぐちゃにぶっ壊れた自動車展示を見て絶句し、硬直したとのこと。そんなわけで記念の1枚。

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in レビュー,   取材,   ネットサービス,   乗り物, Posted by darkhorse

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