飲み込まれてしまいそうなほど接近して撮影されたジンベエザメの写真
ジンベエザメと言えば、原生する魚の中で最大のものとして知られており、これまでに観測された中で最も大きな個体は体長13.7mにもおよぶと言われています。以下に掲載するのは、飲み込まれそうなほど接近してジンベエザメと一緒に泳ぐダイバーたちの写真です。
Open wide: The diver who nearly got swallowed by a whaleshark | Mail Online
ジンベエザメのエサはプランクトンや小魚、藻類などで、海水と一緒にこれらを吸い込み、えらを使って海水だけを放出して残った生き物を食べるという方法で食事をします。こうした「濾過摂食」を行う動物は、生態ピラミッドの最低位に位置するプランクトンを主食としていますが、動物史上ではこの位置にこそ最大級の生物が含まれることが多く、ジンベエザメのほかではヒゲクジラ等の例が挙げられます。
ジンベエザメはサメの一種ですが、動きは緩慢で、人に危害を加えることは少ない種です。
この写真を撮影した写真家のMauricio Handler氏は「アゴを大きく開いたサメの口の中をのぞき込むダイバーの写真を撮った時は、アドレナリンが出っぱなしでした」と、撮影時の興奮を語っています。
Handler氏によれば、「ジンベエサメたちはあまり目が良くないので、ダイバーたちは彼らの進路の邪魔にならないように泳ぎますが、もしもダイバーが飲み込まれてしまったとしても、吐き出されていたでしょう」とのことで、飲み込まれてしまったとしても食べられてしまうわけではないようです。
ジンベエザメの主食であるプランクトンや小魚は、イワシなどにとっても主食であるため、同じ海域にエサを求めて集まって来て、さらにこのイワシを目指してカツオやマグロが集まり、ジンベエザメを中心に一個の生態系が形成されることがあるそうです。このため、ジンベエザメがいるところでは大漁となる可能性が高く、日本では「えびすざめ」などと呼ばれて吉兆とされてきました。
Handler氏は「人々がかつて見たことのないものを見せることが、私の仕事であると感じています。その想いが、私を新たなアングルに立たせるのです。ただ、皆にはこうした美しい生き物が今ここに居るけれど、少し先にはいなくなってしまうかも知れないということを知って欲しいと思います。海をスーパーマーケットのように扱って放っておくことは許されないことなのです」と語っています。
ジンベエザメは現在ワシントン条約のレッドリストに記載され、絶滅が危惧されています。日本を含め、先進国ではジンベエザメの肉を食すことはほとんどありませんが、中国や日本の高級中華料理店ではジンベエザメのフカヒレはフカヒレの中でも「天頂翅」と呼ばれる最高級品とされ、高値で取引されることから、発展途上国の漁師によるジンベエザメ乱獲の一因となっているとも言われています。
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