メモ

なぜミント味のものを食べると冷たく感じるのか


ミント味のアイスクリームなどの場合には実際に口の中が冷えているわけですが、アイスのように実際には冷たくない常温のガムやキャンディー、ミント風味のチョコレート、ミントの葉そのものを食べたときでも、口の中がスースーして、そのあと吸った空気や飲んだ水がひんやり冷たく感じるのはどういう仕組みなのでしょうか?

詳細は以下から。Why Mint Tastes Cold

ミントに含まれるメントールは、人間の皮膚や舌にある「TRPM8」というタンパク質(細胞膜にある選択的にイオンを透過させるイオンチャネルと呼ばれるタンパク質の一つで、普段はセ氏26度以下の低温に反応する)と結合し、「冷たさ」を感じる受容体を活性化させることにより、実際に舌や皮膚表面の温度が下がったり、そこに触れる空気の温度が下がったわけではないのに「冷たい」刺激を感じさせています。

「冷たさ」を感じる受容体は口の中だけでなく皮膚表面にもあるため、メントールを含むかゆみ止めやリップクリーム、湿布薬などでもひんやり冷たい刺激が得られるわけです。のどの奥にもこの受容体はあるため、香り付けにメントールが使われているタバコではのどに清涼感を感じられたり、実際に喫煙にともなうのどや呼吸器の炎症が多少軽減されるとも言われます。

メントールは室温では白みがかった結晶または無色透明の結晶として存在し、室温より少し高い温度でとける性質があります。天然ではミントなどの植物に含まれますが、食品や化粧品、衛生用品、医薬品などさまざまな用途での需要が天然からの供給量を大きく超えているため、現在はそのほとんどが化学合成されています。このメントール合成の工業化には日本の化学者が大きく貢献したそうです。


また、ミントを食べたときに冷たく感じるのとは逆に、トウガラシを食べたときには実際に温度が上がったわけではないのに「熱く」感じ、英語ではトウガラシ系のピリ辛さを「Hot」と表現しますが、この時にもトウガラシに含まれるカプサイシンの作用により、メントールで「冷たさ」を感じる受容体が活性化されるのと同じような仕組みで、普段はセ氏43度以上の熱に反応するTRPV1という受容体がカプサイシンにより活性化され、「熱さ」を感じているそうです。


トウガラシとミントを同時に食べると「熱く」感じるのか「冷たく」感じるのか、あるいは熱刺激と冷刺激が打ち消し合って特に何も感じないのか、気になった人は実験してみるとよいかもしれません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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