苦い食べ物を甘く変える不思議な果実「ミラクルベリー」は人類を飢餓から救うことができるか


ミラクルベリー(ミラクルフルーツ)とは、クランベリーに似た形の果実で、西アフリカで発見されました。酸っぱい食べ物や苦い食べ物を甘く感じさせる効果があるとされ、アメリカでは「あなたの味蕾をワープさせる」や「テイスティングパーティを楽しもう」といったキャッチコピーとともに、ノベルティとして売り出されています。実際に試した人の感想によれば、レモンがオレンジのような味に変わるなど、確かな効果があるようです。

この奇妙な果実が、人類を飢えから救うことになるかもしれません。


詳細は以下から。The Miracle Berry: A Solution to World Hunger? - Orange County Restaurants and Dining - Stick a Fork In It

The Miracle Fruit, a Tease for the Taste Buds - NYTimes.com

Wired誌によれば、シカゴのシェフであるHomaro Cantuさんは、先週ロングビーチで行われたTEDカンファレンスで、この果実が通常では食べられないはずの自生している苦い草などを食べられるように変化させることによって、飢饉(ききん)に見舞われた地域を飢餓から救うことに役立つのではないかと語ったとのこと。実際、彼は自分の娘2人にミラクルベリーを使った偽メープルシロップ(コーンスターチ、水、レモン果汁、ミラクルベリーの調合)や偽ソーダ(炭酸水、レモン果汁、ミラクルベリーの調合)を作ってあげているそうです。

批評家は、ミラクルベリーの錠剤1粒を作るのにベリー3粒が必要であり、コスト的に見合わないだろうと話したそうですが、現在ではベリー1粒から16粒の錠剤を作ることができるようになっているとのこと。また、口の中で苦みを感じる受容体が結合するのを阻止する植物性タンパク質「ミラクリン」を粉末状にした薬剤についても実験が開始されているとCantuさんは語っています。

ミラクルベリーはこうした用途のほかに、糖尿病患者や食品の味が変化してしまうような化学療法を受けている患者にとって、自然由来の甘味料として役立つだろうとのこと。

ミラクルベリーが実際に飢餓を救うことができるかは分かりませんが、こうした思わぬところから人類の役に立つものが発見されることもあるかもしれません。

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in , Posted by darkhorse_log

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