違法サイトでどれだけ人気の音楽やゲームソフト、コミックをダウンロードできるのか、その実態が明らかに
改正著作権法が今年1月1日から施行され、「Winny」や「Share」といったファイル共有ソフトを利用したコンテンツのやり取りに対しても「監視システム」の導入で厳しい取り締まりが行われるようになっていますが、そんな中でもコンテンツを違法にアップロードしているサイトが無くなる気配が無いというのも現状。
そして実際に違法サイトから人気の音楽やゲームソフト、コミックなどのコンテンツをどれだけダウンロードできるのかについての調査が行われました。
詳細は以下から。
(PDFファイル)著作権侵害に関するウェブサイトの調査
このレポートによると、著作権者に無許諾で配信されている著作物を一般ユーザーが簡単に入手することが可能となっている実態の調査を、コンテンツセキュリティ事業などを手がけるクロスワープが行ったそうです。
調査手法は2010年8月10日時点で書籍名に「ダウンロード」が含まれ、価格は1500円以下、そして2009年10月以降に出版された売り上げランキング上位の「違法サイトを取り扱った雑誌」に掲載されている計61のサイトから、音楽やゲームソフト、コミックなどのコンテンツを実際にどれだけダウンロードできるのかをチェックするというもの。
対象となった雑誌4冊。ちなみに雑誌自体は「Amazon.co.jp」で購入できるもので、一般人が入手しやすいものとなっています。
まずは2010年9月第1週~第3週のオリコンシングルランキング上位20曲がダウンロードできるかどうかの調査結果。人気J-POPやアニメソングなど39タイトルのうち、38タイトルがダウンロード可能となっています。
続いてエンターブレインが発表している2010年9月20日~9月26日の販売本数ランキング30位に入っているタイトルをダウンロードできるかどうかのチェック結果。30タイトル中、23タイトルをダウンロードできています。
そして最後に日本出版販売が発表している2010年8月1日~8月31日のコミック販売数ランキング上位10位に入っているコミックを対象とした調査では、8タイトルをダウンロードできたとのこと。
違法サイトのドメイン情報。大半がアメリカ国内のサーバーを利用していることが分かります。
ファイルの置き場所は「megaupload」が22%を占めていますが、複数のサービスを併用している違法サイトもあるとのこと。
ちなみに参考となった雑誌がいずれも2009年発行であったのは、2009年10月に(PDFファイル)2009年10月に国内の複数著作権関係団体が出版社に自粛を呼びかけた結果、そのような雑誌の発売が減ったからであるとみられていますが、昨年発売の雑誌であるにもかかわらず、高い割合でコンテンツをダウンロードできたということは、海外のサイトが主なダウンロード元となっている状況やストレージサービスがファイルの置き場所として用いられている状況が昨年と変わりない傾向であることを示しているようです。
なお、改正著作権法では権利者に無断でアップロードされたファイルであることを知りながらダウンロードすることを違法であるとしています。
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